フランス最大の港町マルセイユ
旧港・寺院・料理の3つだけで十分満足

 空の玄関口マルセイユは、紀元前7世紀にギリシャ人が住みつき、後に古代ローマ人に占領されたと言われています。今では、西の玄関口と呼ばれ、フランス最大の港となりました。

 かつて、一緒に旅行に行った母が、「マルセイユは是非行ってみたいの。フランスの象徴“ラ・マルセイエーズ”は国歌になっているくらいですもの。素敵な街に違いないわ!」と目を輝かせて言っていました。他の方のお話を聞いても、マルセイユに憧れを抱いている方が多いですね。

 ただ、海に面していてとても魅力的な一方、移民の町でもあり、治安の悪い面もあります。

 以前、私がマルセイユの駅前の地区を歩いていると、だんだんアンモニア臭がきつくなってくるではありませんか。町の様子も薄暗く、どこかしら汚い感じです。すると、フランス人のおじさんが「お嬢さん!こんなところに入ってはいけないよ!ここは、娼婦街だよ。危ないから。さ、出て行きなさい!」と注意されたのを覚えています。

 マルセイユの山の上に建つノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院からの眺めは、海とマルセイユの町、デュマ著「モンテ・クリスト伯」の小説の主人公が閉じ込められた牢獄のあるイフ島が一望できる絶景ポイントです。寺院自体もロマネスク・ビザンチン様式の美しい寺院です。ですから、私はいつも「マルセイユは、旧港(Vieux Port)を散策し、寺院からの見晴らしを楽しみ、プロヴァンスならではのブイヤベースをお楽しみいただくだけで十分満足されますよ!」と申し上げることにしています。

マルセイユの漁港の風景