地方の中古戸建ても魅力だが…
最後に、基本に立ち返って「地方の中古戸建て」である。全国的に年々増えている空き家の数は今後もさらに増えていく見通しといわれ、地方では空き家の投げ売りが起きているような状況もある。ここのところマンション価格が高騰しすぎているのと、リモートワークの普及で、地方戸建てに目移りしていく可能性はある。リフォーム済みの家が数百万円で手に入る現状はどうあがいても垂涎(すいぜん)ものである。
そうした空き家を利用して賃貸にする不動産ビジネスもあるようで、そういえば筆者が今住んでいるこの首都圏近郊の賃貸3LDKはまさしくそれなのではないかと思い当たり、自分がいつの間にか搾取される側に回っていることに気づいて慄然(りつぜん)としている。
しかし、それはもう考えないことにして、たしかにこの家もリノベ済みではあるが建て付けは悪いし隙間から入った虫が頻繁に出るし、あと強い風が吹くとものすごいガタガタいうので、新築に比べれば分が悪い。
さて、プレハブ、ユニットハウス、トレーラーハウス、地方中古戸建て、そして3Dプリンター住宅が出そろった。こうして諸条件を並べて見比べてみた結果、3Dプリンター住宅は極めて現実的な選択肢として検討することができた。セレンディクスの「フジツボハウス」は夫婦2人向けの1LDKとうたわれていて、我が家は子どもがいるので手狭になりそうだが、さらに大きいサイズのファミリー向けモデルがリリースされれば、いよいよ購入が視野に入る。あとは、筆者の場合でいうなら、「広くてボロい家」か「狭くなるけど最先端の家」、どちらを取るかという話になる。
なお、3Dプリンター住宅業界はここ最近で日の出を迎えたような状況であり、今後生産体制やノウハウがさらに整っていけば、より低コストで供給が可能となる見通しとのことである。目を皿にして充血させ、成り行きを見守りたい。