「燃やすしかないゴミ」ちょっと変な名称の深いワケ写真はイメージです Photo:PIXTA

「燃やすしかないごみ」という呼称をご存じだろうか。これは複数の自治体で現在使われている可燃ごみを分別するための呼称である。思わず苦笑してしまう呼び方だが、調べると深い真意があるようなのだ。(フリーライター 武藤弘樹)

斬新な呼び名に驚がく
「燃やすしかないごみ」とは

 福岡県柳川市はのんびりした住みやすい地域で、父の実家があるため、筆者にとってもゆかりある地である。先日用があったのでついでの小旅行を楽しんでいると、スーパーで可燃ごみ用のごみ収集袋が売られているのを発見した。そして可燃ごみの異様な呼称に驚がくした。

「燃やすしかないごみ」というものである。

 それに触発されて、可燃ごみの呼び方を独自で「燃やさずにはいられないごみ」や「思わず燃やしたくなるごみ」「燃やす以外の未来が見えないごみ」などとしてひとしきり面白がっていたのだが、後で調べてみて自分の不勉強を恥じることになった。

 柳川市の「燃やすしかないごみ」なる呼称はきちんとした狙いがあって定められたもので、しかと効果を上げており、同種の試みを始めている自治体も全国に複数あるようなのである。

 ごみの呼び方の変更の狙いや効果について解説していきたい。