正解は1と2
解説 PBR1倍は、その会社がその会社の「時価総額」と同じだけの「資産」を保有しているということです。
PBR1倍より高いほど、その会社の資産に対して時価総額が割高、PBR1倍より低いほど、その会社の資産に対して時価総額が割安ということです。
多少変動しますが、上場企業の平均PBRは、1.2倍程度です(PERは前述のとおり平均15倍程度です)。
PBRを財布に入っている
お金にたとえると?
①のPBR2倍というのは、時価総額の半分の資産しか保有していないということなので、「1万円が入っている財布が2万円で売られている」ような状態です。
②のPBR1倍というのは、時価総額と同額の資産を保有しているということなので、「1万円が入っている財布が1万円で売られている」ような状態ですが、平均的な数値ということではありません。
③のPBR10倍というのは、時価総額の10分の1の資産しか保有していないということなので、「1万円が入っている財布が10万円で売られている」という状態です。
ものすごい勢いで急成長しているか、よほど将来性が評価されているか、あるいは一時的な期待感から株が買われている会社でなければ、このような高いPBRはつきません。
PBRだけで判断しない
④のPBR0.5倍というのは、時価総額の2倍の資産を保有しているということで、「1万円が入っている財布が5000円で売られている」という状態です。
仮にこの会社の全株式を丸ごと買って、全資産を売却したら、理論上は投資額の2倍が得られることになります。
現実には上場企業を現在の株価で丸ごと買えるわけではありませんし、仮に全株式を丸ごと買えたとしても、全保有資産を会計上で記録された「帳簿価格」で売れるわけではありません。
そもそも、PBRが割安な会社は、だいたい業績もよくない傾向があるため、PBRが低いという理由だけで、安易に株を買ってはいけません。
ポイント PBRの数値上の割安感はあくまで参考程度に
※本稿は『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社)から一部を抜粋・編集したものです。