「PCスキル不要」で多様な人材を確保

 1995年に発売されたマイクロソフトのOS「Windows95」を機に、それまで一部の専門家やマニアのものだったパソコンは「ひとりが1台持つ」ビジネスツールへと進化を遂げ、ワードやエクセルがビジネスパーソンにとって必須スキルとなっていきました。2000年代の初頭に社会人となった私も、ワードやエクセルを必死で勉強した記憶があります。

 ところが、それもいまは昔で、最近の若い世代にとっては、慣れないPCの操作は難しく、敬遠する傾向にあります。そこで、BtoBの領域においても、世界の最先端のテック企業では「PCレス」に大きく舵を切っています。

 人口減少の局面に入り、労働力の確保がますます困難になるからこそ、仕事で使用するデバイスも複雑なPCや機器類から、若年層が慣れ親しんでいるスマートフォンやタブレットへと置き換えることが重要課題になっています。

 PCからスマートフォン、さらにはIoTなどへとデバイスの主流が移り、誰もが高度なIT技術を安価で手に入れ、駆使できるようになる現象を、ここでは「テクノロジーのフラット化」と呼びます。

 思えば、かつては高価で難解だったコンピューターを、PCの登場によって誰でも使えるようになった流れも「テクノロジーのフラット化」といえます。いま、そのムーブメントを最前線で牽引するのがスマートフォンなのです。

 本稿では、BtoB領域でスマートフォンやタブレットを中心とした「テクノロジーのフラット化」を実現している最新テック企業の動向を紹介します。

 コールセンターなどの職場での働き方が大きく変革する未来をのぞいてみましょう。