実際にいちばん
効果のあった方法とは

 実際にTさんが試したのは、次の3つです。

 ①鍵を閉める時に「ガチャッ」と口に出すことで、閉めたことを意識する。
  さらには、閉めたあとに指差し確認する。
 ②鍵を閉めたあと、10秒数えてから、もう一度だけ確認する。「よし、閉めた」と口に出す。
 ③鍵を閉めた自分の様子を動画で撮影する。

 ①については、特に効果を実感できませんでした。
 ②はうまくいくこともあれば、心配になって確認行動をしてしまうこともありました。
 いちばん効果があったのが、③です。

 あとで動画を見返すことで、確認しに戻らなくても「大丈夫。閉まっている」と自分自身を安心させることに成功しました。
 さらには、確認しに戻らなくても、自分が思っているような不安なことは起こらないということをTさん自身が次第に理解していきました。

 Tさんの場合は、②と③を組み合わせることによって、確認行動がわずか4か月でなくなったのです。

難しいことに挑戦している
自分を肯定しよう

 誰かに「そんなことは起こらないよ」「心配しすぎだよ」と他人事のように言われたところで、苦しんでいる本人はそう思えないものです。
 でも、自分自身で「そんなことは起こらない」という体験を積み重ねることができれば、人は納得し受け入れることができます。

 確認行動をやめるのは、想像以上に大変です。
 1回うまくいったからといって、次もうまくいくとは限りません。しばらくうまくいっていても、不安や恐怖に負けてしまうこともあります。

 最終的には確認行動をやめることができたTさんの場合も、その繰り返しでした。

 だからこそ、落ち込みそうな時には、それくらい難しいことに挑戦しているのだ、と自分を肯定してみてください。

 不安や恐怖からパニックになりそうな時には、「これは、想定内だ」「不安や恐怖が強くなるのは通過点だ」と自分自身に言い聞かせる方法も有効です。

 ひとりで取り組むのが難しいと思えば、Tさんのように、医師やカウンセラーと一緒に問題に取り組んだり、信頼できる人の力を借りたりするのも1つの手です。

「うまくいくこともあれば、うまくいかないこともある」
「1回うまくいかなくても、また挑戦すれば大丈夫」

 ということをどうか忘れないでください。

 挑戦し続けることをやめることさえしなければ、あなたも確認行動から抜け出せます。
 何があっても自分を責めず、自分を信じることから始めましょう。

Poche(ポッシュ)
精神科クリニックに併設のカウンセリングルームで10年以上、心理カウンセラーとして勤務した後、独立。現在は人間関係、親子問題、機能不全家族専門カウンセラーとしてメールでのカウンセリングを中心に活動。メールでのカウンセリング、対面カウンセリングともにいつも予約がいっぱいで、現在も数か月待ちの超人気カウンセラー。
著書に『あなたはもう、自分のために生きていい』(ダイヤモンド社)などがある。最新刊は『悪いのは、あなたじゃない』(ダイヤモンド社)。X(旧Twitter)@Poche77085714

※本稿は、Poche著『悪いのは、あなたじゃない』(ダイヤモンド社)から抜粋し、再構成したものです。