「仕事ができる人」と「できない人」の違いはどこにあるのか?「デジタルマーケティング」の分野で圧倒的支持を受けるマーケティングコンサルタントの戸村恵太氏に、マーケター、コンサルの視点で「仕事ができる人」の習慣を聞いてみた。今回は、「打ち合わせ」の質を高める方法について紹介していく。
「ターゲット」という言葉を気軽に使っていないか?
株式会社デジタルインテリジェンス代表取締役社長。
マーケティングコンサルタント。大手メディアバイイングでのアカウント営業、メディア事業会社の新サービス開発、データビジネス事業会社設立などに携わり、2014年よりデジタルインテリジェンスに参画。2020年より同社CEO。自動車、化粧品、通信会社、電子機器メーカーを中心に、シニアコンサルタントとして多くの企業から「マス×デジタルマーケティング」の分野で圧倒的支持を受けている。
仕事におけるコミュニケーションでまず大切なのは、「理解の違いを消すこと」です。
そのために、「言葉の定義」から始めることはものすごく重要です。一見、よく使われる言葉でも解釈の違いによって、それぞれが頭の中で考えていることが変わることはよくあることです。
たとえば、こんな入り方をする打ち合わせを見たことがあります。
「今回は、御社のターゲットへのブランディング改善策についてお話させていただきます」
「ターゲット」という言葉一つとっても、その解釈は人によって異なります。あなたは「既存顧客を含めたより広いターゲット」を意識しているのに、クライアントは「自社の顧客」だけをイメージしているかもしれません。すると、些細な点で食い違いが起こり、こちらの意図が伝わらないことや、共通のゴールが描けないことがあります。
「そんなこと当然だしわかってる」という人もいるでしょうが、意外とここでの食い違いはよく起こるものです。
「齟齬が起きそうな言葉」はできるだけかみ砕く
そのような「意味の食い違いが起こる言葉」は、最初にかみ砕いて言語化しておくことがとても大切です。先ほどの例であれば、
「今回は、●●製品の新規顧客を獲得するために、課題となっている△△というイメージを改善するブランディング施策についてお話させていただきます」
というように、「ターゲット」「ブランディング」など、サラッと使ってしまがちだけど齟齬が生まれる余地のある言葉をつぶすことが大切です。
些細なことですが、これを初めにやっているかどうかで、プレゼンや打ち合わせの精度は格段に変わります。また、社内でのコミュニケーションなどでも、「なんだか話がかみ合わない」ということが減り、さまざまなシチュエーションでの生産性も大きく変わってくるでしょう。