大学生、そして社会人からも圧倒的な支持を受ける就活塾「我究館」をご存じだろうか。
第一志望内定率93.1%と圧倒的な成果を残し、ロングセラー『絶対内定』シリーズの著者としても有名だ。では、採用される人、されない人の差はどこにあるのだろうか。今回は、絶対シリーズの中でも人気の『絶対内定2025 エントリーシート・履歴書』より、エントリーシートの攻略法を紹介する。

絶対内定Photo: Adobe Stock

30分で書ける志望動機

 企業が志望動機で知りたがっているのは、きみの「社会に与えたい影響(Giving)」。つまり、その組織を通してきみが社会にどんな価値を提供しようとしているか、ということだ。

 自分が手に入れたいことや、経験したいことではない。

 例えば、「(海外に)駐在したい」「優秀な人に囲まれたい」「充実した研修制度が魅力」「頼られる人になりたい」「自信を身につけたい」などは正直、企業にとってほとんど興味のない話だ。社会に出ることは給料をもらって価値を提供することだ。きみが何を得られるかではなく、きみが何を提供したいのかを問われている。

 社会に与えたい影響とは、きみが社会にどんな貢献をしたいのか、ということ。「世界の格差をなくしたい」「日本の技術力を世界に届けたい」「日本の中小企業を元気にしたい」「老人が笑顔で暮らせる社会を作りたい」「日本のプレゼンスを世界で高めたい」などだ。

 きみの「社会に与えたい影響」と「企業の事業内容」が一致していれば、採用される可能性はグッと高くなる。この思いは、強ければ強いほどよい。採用担当者はきみの活躍を予感するだろう。

 具体的な書き方は、次のとおりだ。

志望動機作成のための5つの質問

1.社会に与えたい影響は何ですか?
2.それが実現できる業界や企業はどこですか?
3.その業界や企業は現在どのような状況ですか?
4.具体的にやりたいことは何ですか?
5.そのために学生時代にどんなことを身につけてきましたか?

 これら5つの質問の答えが、志望動機につながっていく。1と2は我究(自己分析)の成果になる。3と4は企業研究、5は自己PRが関係してくる。

 作成前の準備としてこれらのすべての質問に5~10分程度で答え、紙に書き出してみよう。文字数や誤字脱字はひとまず気にせず、思うがままに書いてみる。そこからスタートしよう。

志望動機作成のフレームワーク

 質問に答えた内容を、次の4つのフレームに当てはめてまとめていこう。

1.社会に与えたい影響(100文字)
社会のどの部分へ向けて(誰のために、何のために)働きたいと思っているのか。

2.価値観やコア(100文字)
そのように思うのはなぜか。
どんな生い立ちや、人生経験から、その思いが生まれたのか。

3.PR・強み(100文字)
「自分にできる」と思っている理由は何か。どんな「強み」や「経験」をもって、志望企業に貢献できると思っているのだろうか。

4.その企業でやりたいこと(100文字)
具体的に挑戦したいことは何か。どんな事業で、どんな職種で、どんな仕事で、その思いを叶えようと思っているのだろうか。

 1~4、それぞれ100文字。合計400文字を目安に書いてみよう。

 エントリーシートの文字数によっては、具体的に書くことに限界があるかもしれない。その場合でも、面接では語れるようにしておこう。

(本稿は、『絶対内定2025 エントリーシート・履歴書』を抜粋、再構成したものです)

藤本健司(ふじもと・けんじ)
我究館館長
千葉大学教育学部卒業後、(株)毎日コムネット入社。営業に配属され、2年目に優秀社員賞、3年目に社長賞を受賞。2012年「世界の教育問題に対峙したい」との思いから、青年海外協力隊としてケニア共和国で活動。3年間、JICAや現地の省庁と連携し、児童福祉施設における情操教育やカウンセリングに携わり、「人は志や気づきによって大きな成長を遂げられる」ことを実感する。2016年より(株)ジャパンビジネスラボに参画。我究館学生校の主担当コーチとして大学生をサポート。2017年10月より副館長を務め、2021年5月より現職。外資系投資銀行、コンサルティングファーム、総合商社、広告代理店など、難関企業に多数の内定実績がある。著書に「絶対内定」シリーズがある。