「失言だった!」「話が盛り上がらなかった」など、会話の後に後悔をした経験は誰しもあるだろう。ここでは心地よい会話のための「観察」の重要性を、コミュニケーションの専門家が『徹子の部屋』を参考にひも解いていく。
自分の話ばかりする人は「黒柳徹子」を見習おう
1976年(昭和51年)から続く『徹子の部屋』(テレビ朝日)は、全国的な知名度を誇るので説明は不要かもしれませんが、女優の黒柳徹子さんがMCを務め、平日の昼間に、異なるゲストを迎えるトーク番組です。
2011年に「同一の司会者による番組の最多放送回数記録」でギネス世界記録に認定、2015年には放送1万回を達成。今もなお続く長寿番組として年代を問わず人気を博しています。
私自身も『徹子の部屋』のファンの一人です。この番組の魅力は、なんといってもMCの黒柳徹子さんから伝わるゲストに対する心配りと、小気味良い展開です。とくにゲストがたっぷりと話ができるような黒柳さんの質問と反応の抜群のセンスは、視聴者を画面に引き込む強力な吸引力があるように感じます。
ちなみに、ゲストの魅力や素顔を引き出すために、番組のスタッフの方々が各ゲストに関する綿密な情報収集をしたうえで、黒柳さんとのすり合わせが行われており、台本もしっかりあるそうです。
しかし、いったん会話が始まれば、予測通りにいかないことも多く、黒柳さんはいつも臨機応変な対応を求められていることでしょう。