うそのつき方は大きく2種類
最もバレないうそのつき方

 うそのつき方には、偽装化と隠蔽(いんぺい)化の二つがあります。

 偽装化とは、真実の情報を隠し、偽の情報を与える方法のことです。また、隠蔽化とは、うそに関わる話題について触れない、何の情報も与えない方法のことです。

 どちらの方が、うそのサインが生じやすく、バレやすいと思いますか?

 答えは、偽装化です。

 真実の情報を隠しているということは、うそと真実を区別できているということです。偽の情報を与えることは、うそを生み出しているということです。

 このとき、言葉では「うそをついていません」と言っていても、心の中では、うそをついているという罪悪感や嫌悪感、うそがバレやしないだろうかという恐怖感が、渦を巻きます。また、偽の情報を生み出し、保持し、整合性を保つため、頭がいっぱいになり、認知的負担を抱えます。

 こうした感情や負担が、表情や動作、声のトーンに表れたり、特徴的な言葉の言い回しになったりすることで、相手の疑惑が高まります。うそによって得られるものや失うものが大きいほど、こうした変化は生じやすくなります。

 さらに後々、発言と矛盾する物的証拠なんて出てきたら、完全アウトです。

 お気づきだと思いますが、冒頭で触れたジャニーズ事務所の声明にある「被害者でない可能性が高い方々が虚偽の話をされているケース」は、偽装化です。ですので、被害者でない人たちの供述を取る中で、うそが露呈する可能性があります。

 一方、隠蔽化はバレません。少なくとも、隠蔽化が行われている現場で即座にうそがバレることはありません。何も言わず、触れられたくない話題は避けることで、その話題について質問されなければよいのです。

 国会での答弁や記者会見などを見ているとよく登場しますが、「記憶にない」「わからない」「存在しない」「答えられない」と言ってしまえば、終わりです。触れさせなければ、問題に気づかせなければ、鋭いジャーナリストに質問させなければ、終わり。うそは露呈しません。触れることのできないものについては、真偽の感触は確かめられないのです。冒頭の指名NG記者リストの作成は、たまたま隠蔽化の痕跡が露呈した例と言えるでしょう。

 つまり、最もバレないうそのつき方の一つ目は、「うそに関わる話題について触れない、何の情報も与えない」です。逆に考えれば、特定の話題に触れたがらない、もしくは「ノーコメント」と発言する人がいた場合、その行動はうそを積極的につきたくない心理の表れであると考えられます。