「目をそらす」「顔や頬を触る」という
行動が起こる本当の理由

 ところで、「目をそらす」「顔や頬を触る」の本当の意味は何でしょうか。

「目をそらす」のは、記憶をたどったり、考えたりするためです。試しに「1週間前の今日の予定」を思い出してみてください。今、この記事から目がそれたと思います。おそらく上か下に。正面を向いたままだと大量の情報が視覚から入って来るため集中できず、そのため、視覚情報がそれほどない天井や床などに目が向かうのです。

 奥さんに浮気を疑われ、1週間前の出張について追及されたとします。「本当は出張なんて行ってないんだよ、どうしよう」と思ってうそを繕おうとすれば、目がそれます。「出張先のどこで誰と過ごしたかな」と本当の記憶をたどったとしても、目がそれます。つまり、うそでも真実でも、目はそれるのです。

「顔や頬を触る」のは、感情の波をなだめるためです。顔や頬に限定する必要はありません。頭でも、首でも、胸元でも、腕でも、足でもよいです。貧乏ゆすりも、ペンいじりも、机のタップも、この一種です。体の一部で他の身体部や手の届く範囲を触る、つねる、ひっぱる、たたく、かむなどの全てが、何らかの感情をなだめるための行為です。

 街中でもオフィスでもちょっと人を観察すれば、目につく動きです。店頭で値札を前に、アゴに手を置きスリスリしている人。電話をしながら髪をいじっている人。信号待ちをしながら腕を組んで指を叩いている人。会議中に手をすり合わせている人。

 もしも「うそついているでしょう」と問い詰められれば、うそをついているかどうかにかかわらず、緊張して、目をそらしたり、顔や頬を触ったりしてしまうのです。