不動産シェアリングエコノミーの勢いがすごい!家具・家電のサブスクで借り手の満足を最大化不動産価値の向上に、個人・法人とも需要増が期待される「家具・家電のサブスク」 PIXTA

前回に続いて、不動産関連の新市場として成長中のスペースや生活用品をシェアする「シェアリングエコノミー」に焦点を当ててみたい。インテリアの購入コストを抑えつつ物件の付加価値を上げる「家具や家電のサブスク」は、環境負荷低減の面でも注目のビジネスとして、その成長が期待されている。

物件の付加価値を高める
家具・家電の「サブスク」 

 家具と家電がレンタルできるサブスクリプションサービス「CLAS」を展開するクラス。不動産業界においては、賃貸物件やセットアップオフィスを手掛ける企業からの引き合いが多く、また中古物件を抱えるオーナーがリフォームのタイミングで利用するなど、中小のオーナー物件にも広がりを見せているという。

不動産シェアリングエコノミーの勢いがすごい!家具・家電のサブスクで借り手の満足を最大化久保裕丈(くぼ・ひろたけ)
クラス代表取締役社長。東京大学新領域創成科学研究科修士課程修了。コンサルティング会社勤務の後、2012年に会社を設立し3年後に売却。その後数十社の企業顧問を務める。2018年にクラスを設立し、「CLAS」を展開。 Photo by Hiromi Tamura

 依頼主に共通するのが、家具や家電によって物件の価値を高めたいという思いだ。だが、質の高い家具や家電を自前でそろえようとすれば、一部屋100万円、オフィスなら数百万円のキャッシュが必要となりかねない。プロにコーディネートを頼めばさらにコストが上がり、その投資を回収すべく、家賃を高く設定せざるを得なくなる。

 その点、サブスクなら初期費用は大幅に抑えられ、入居者の反応が悪ければ気軽に取り換えられるというメリットがある。また、CLASの法人向けサービスには専属コーディネーターから無料で家具選定やレイアウトの提案を受けられるなど、コストを抑えつつ物件の付加価値を高める仕組みが整っている。

「家具や家電のサブスク」はほかにもある。しかし基本的に小売価格を分割して支払い、契約期間満了前の利用終了時には解約料や返却料が発生する仕組みをとっている。

 CLASを個人で利用する場合、基本的には4カ月以上使用すれば、以降はどのタイミングで利用を止めても返却料や配送料はかからない。この独自性こそが、代表の久保裕丈氏が「直接的な競合は存在しない」と言い切る理由の一つとなっている。

「”暮らす”を自由に、軽やかに。それが当社のビジョンであり、自由なタイミングで返却できるというユーザビリティーは必須でした。その実現には、システムの構築はもちろん、倉庫管理、リペアやクリーニングの環境整備など、かなりの労力がかかります。それらをすべて一社内のサイクルで行うことは一朝一夕ではできません」