日本人の英語熱は明治維新の頃から高まり続ける一方、英語学習を「つらい」と感じる人はいまだ多い。そういった無邪気な学習者たちに笑顔を取り戻してもらうべく、仕事ができない社員や、愛社精神の低い社員、窓際族などによる非エリート風の言い訳や失敗をまとめた書籍『ろくでもない英語の言い訳300』が刊行された。ネイティブもあきれかえる、職場では絶対に使えないその内容とは? 同書から特別に一部を公開する。

ろくでもない英語の言い訳300イラスト:村上テツヤ

おじいさんは月間売上目標を達成するために山にしば刈りに、おばあさんは商談をまとめるために川に洗濯に行きました。
The old man went to the mountains to gather firewood and meet his monthly sales goal, and the old woman went to the river to do laundry and wrap up a business meeting.

 桃太郎の前半の掴みといえば、おばあさんが洗濯している川へ大きな桃が流れてくるシーンですが、彼女がもし洗濯に行かず、桃がそのまま下流まで流れてしまっていたら……。もし、緊急事態宣言で外出禁止だったら。もしおじいさんが久しぶりにムラムラしておばあさんを朝から押し倒していたら。歴史にIfはないとはいえ、この老夫婦がルーティーンを崩さないタイプであったことが幸いし、鬼ヶ島の征伐につながったのです。

ノルマの重要さがわかる昔ばなし

ノルマを達成できなかったため、先輩は鬼に食べられてしまいました。
As he failed to meet the quota, my superior was eaten by demons.

 24世紀版 桃太郎 完。

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「本当の売上を知られたからには、もうここにはいられません」。娘はそう言うと、鶴に姿を変え、渋谷の方へ飛んでいってしまいましたとさ。
“You’ve seen my true sales performance, so I can’t stay here any longer.” After saying this, she changed into a crane and flew up to Shibuya.

 28世紀版 鶴の恩返し 完。

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太郎は今月の釣果がノルマに達していなかったため、カメを見捨てて釣りに行ってしまいました。
Taro left his turtle behind and went fishing because he hadn’t met his monthly catch quota.

 32世紀版 浦島太郎 完。

(本稿は、『ろくでもない英語の言い訳300』を抜粋、再構成したものです)