自分にとって「害になる親」、つまり毒親からは逃げるしかない、とは言われますが、実際に毒親との絶縁は簡単なことではありません。絶縁してもなお追いかけてくる毒親、周囲からの残酷な言葉……ここでは実際に毒親と絶縁した経験を持つ著者が、同じ悩みを持つ人々へ苦しみから抜け出す糸口を綴った書籍『幸せになるには親を捨てるしかなかった』(シェリー・キャンベル著 ダイヤモンド社)から抜粋し、再構成して紹介します。

【毒親かもしれない】一緒にいると疲れる。しんどい。罪悪感なく「親と距離をおく」簡単だけど驚くほど確実な方法Photo: Adobe Stock

「家族」という
固定観念との戦い

 社会に一般的に流布している家族についての固定観念は、家族との境界線を必要とする人たちに甚大な被害をもたらしかねません。

 家族を大事にしない人になりたくない、あるいは周囲にそう見られたくないために、私たちの決断をそうそう支持できないのは理解できます。
 多くの人がこの話題に触れたがらず、そんな人たちの理解を得ようと思うと、無限に続くかのようなきつい上り坂の戦いを強いられます。
 どれほどあからさまに否定されてでも、真っ向から戦いに挑み立ち続けようとする強い意志を見れば、あなたの家族が相当に害のある毒家族だったことがわかります。家族と一緒にいるより、周囲からとやかく言われるほうがまし、ということなのですから。

 しかしながら、それでも他人にはなぜか、それがなかなか伝わりません。「家族」の価値はそれほどまでに確固たるもので、そのせいで多くの人々が、自分を支配し搾取する家族の檻から抜け出せないのです。

あなたを失って
当然の人たち

 結局のところ、行動には結果が伴います。人が世界に引き起こしたことは、それ相応の結果として返ってきます。
 あなたを精神的に虐げ支配してきた家族は、自らの行いに見合う、当然の報いを受ける道を自らの足で突き進んだのです。

 あなたを不当に扱ったことに対する当然の報いとは何でしょう。
 それは、あなたとの関係を失うことです。

 家族全員が、一人ひとりの違いを広い心で受け入れ、愛情深く互いへの尊敬を忘れない――そんな家族は、愛し合い尊重し合い、温かい心で境界線を認めて、それに伴う結果も受け入れてくれます。

 しかしあなたは、このような家族のもとに生まれ育ちませんでした。
 ですから、あなたを虐げる家族に当然の報いを受けさせることに罪悪感を持ってはいけません。あなたが赦してしまったら、彼らは自らを省みる機会を失うのです。

毒家族との境界線を
強くするコツ

 きっと役に立つと思うので、私自身が設けた最も強力な境界線の1つについて話します。