的中率9割の「仕事ができる人」かどうか見極める方法
「で、その後が肝心で、こっちも本を勧めるんだ。自分の好きな本をね」
「はい。まあ普通の流れですよね。」
「その時、相手も自分と同じように、すぐに本を買う人だったら、絶対にこの人はできる人だ。」
「……!」
「まず、目の前の人のすすめる本をすぐに買う、というのは2つのハードルがある。知識に対しての貪欲さと、『まずは買ってみる』という行動力だ。逆に言えば、すぐに本を買う人は知識に対する貪欲さと行動力が備わっていると言える」
「なるほど、そういうことですか」
「そう、目の前の相手がすすめる本を買う行為は、その人の考え方の縮図なんだ。人の思想に対するオープンさ、新しい物を受け入れる態度、勉強する意欲、本を読むという行為。それに加えて「とりあえず買ってみる」という行動力と勇気。これらは「目の前の人がすすめる本を買う」という行為に現れている。色々な人に会って、これをやったけど、的中率は9割。ほぼ間違わない。ま、たまに“買うだけで全く読まない”という人が1割程度いるのが、玉にキズだけど」
「面白いですね」
「簡単なことだよ。
人を見るには「何を語るか」ではなく、「どのような行動を取るか」を見ればいいんだ」
コンサルに入社して、22年が経ち、3000社1万人ものビジネスパーソンと仕事をしてきたが、全くこの経営者の言う通りだと改めて思う。
そして、ここで言う「仕事ができる人」かどうかの判断基準は、「頭がいい」かどうかの判断基準と同義である。
目の前に相手がすすめる本をとりあえず買う人は、読書の習慣があり、読む本のジャンルも幅広く、読解力があり、教養と思考力を兼ね備えている。
「仕事ができる人」もしくは、「頭のいい人」になりたければ、この1年間、すすめられた本を全て買ってみてはどうか。