●メリット④ 人間関係がよくなる
人間は言葉でコミュニケーションを図るので、一部の言葉しか使えなかったり、伝える内容がずれていたりすると、相手の誤解を招いてしまう、相手をモヤモヤした気持ちにさせてしまう―などのリスクが高まりやすくなります。
転職する人は、その動機に「人間関係がうまくいかないこと」をあげる人が少なくありません。言語化力が高まれば、コミュニケーション時の齟齬が減り、良好な人間関係を構築しやすくなります。その結果、キャリアも積み上げやすくなるでしょう。
●メリット⑤ プレゼン、営業、交渉のスキルが上がる
ビジネスにおいては、相手の心を動かさなくてはいけない場面が多々あります。プレゼン、営業、交渉に代表される場面です。
私の考えでは、人の心を動かすために必要な要素は2つです。1つは「根拠」。もう1つは「ベネフィット」です。
根拠は、その提案や商品などが必要であることを示す“よりどころ”のこと。一方、ベネフィットとは、その提案を実行したり、商品を使ったりしたときに相手が得られる“何かいいこと”のこと。具体的には効果、効能、恩恵、利益などがベネフィットです。
大切なのは、根拠とベネフィットを具体化すること。「たとえば◯◯の場面で使えます」「たとえば◯◯のメリットがあります」など、相手の頭の中に「映像」が浮かぶように伝えられる人は、ビジネスシーンのあらゆる場面で結果を残していけるでしょう。
●メリット⑥ 感情をコントロールできるようになる
なんとなく気持ちが沈んでいるとき。言語化力が乏しいと、自分の感情を把握することができず、心のモヤモヤが増幅していきます。なぜ気持ちが沈んでいるのか……悲しいのか、悔しいのか、寂しいのか、はっきりしない感情に翻弄されてしまうからです。
キレやすい人とキレにくい人の差には、言語化力の高低が関係していると私は考えています。言語化力が高い人は言葉を使って感情を冷静に把握できるため、対処の仕方も間違えにくいのです。
意外に思うかもしれませんが、言語化力と感情コントロール力は密接につながっているのです。
●メリット⑦ 企画力が上がる
発想やアイディアは、「言葉の掛け算」から生まれることが多いものです。たとえば、「電話」×「パソコン」=「スマートフォン」など。こういった思いつきを得るには、高い語彙力が必須。日頃から掛け算できる言葉の数を増やしていくことが肝心です。
もちろん、企画を実現していく過程ではメリット⑤のプレゼンや交渉のスキルが必要なのは言うまでもありません。
*本記事は、山口拓朗著「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」から、抜粋・編集してまとめたものです。