中国の軍事転用防止を狙う
戦略物資化で日本に課題
バイデン政権は10月17日、昨年10月に導入した中国に対する先端半導体の輸出規制の強化を発表した。規制を中国以外のイランなど21カ国に拡大するもので、それらの国を経由して中国が先端半導体を入手し、軍事転用する道を封じるのが狙いだ。
ウクライナ戦争でも、侵攻による経済制裁にかかわらずロシアへの第三国からの半導体の「横流し」が起きている。
半導体が民生分野だけでなく戦闘機やミサイル、それらによる軍事システムに欠かせなくなっている。米中対立や新型コロナウイルス禍による供給制約問題以降、半導体の自国生産やサプライチェーン確保を目指した「囲い込み」が進んできたが、半導体の産業と軍事の両面から戦略物資としての色合いは一段と強まる。
日本も経済安全保障戦略を掲げ半導体の開発支援や国内拠点整備に取り組むが、アキレス腱となる課題がある。