「レディースプランは男性差別?」→ひろゆきが考える“本当の平等”とは?ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

「レディースプランは男性差別?」
そう疑問を投げかけるのは、SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、日本中で大ブレイクを巻き起こした、ひろゆき氏。「シンプルな考え方を知れてラクになった」「目からウロコが落ちまくった」と話題を巻き起こした彼の著書『1%の努力』『99%はバイアス』では、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などをマジメに語っている。そんな彼に、この記事では、「本当の平等」について聞いてみた。(構成/種岡 健)

それって“逆差別”じゃね?

 映画館では「レディースデー」と呼ばれる日がありました。

 その名の通り、女性の入館料が安くなる日です。

 これには前から疑問がありました。

 それって逆差別じゃないの? と感じていたんです。

 そういった声を受けて、映画館のレディースデーはほとんど廃止となったそうです。

 もちろん僕は、差別はなくなるべきだと思っています。

 歴史を振り返ると、女性が差別されてきた過去がありますし、現在もその名残がのこっている部分はあるでしょう。

 ただ、だからと言って、「下駄をはかせる」ということによって男性を不利にする動きがあるのは疑問なんですよね。

シニア料金はOKか?

 こういう意見を言うと、「子ども料金はどうなんだ!」「シニア料金は見逃すのか?」という反論がきます。

 ただ、よく考えてみてください。

 それらと男女の問題は根本的に異なります。

 なぜかというと、誰もが最初は子どもであり、いつかはシニアになるからです。

 そういう意味で平等の権利といえます。

 しかし、男性として生まれると、よほどのことがない限り、レディースプランのサービスを受ける機会はやってきません。

 だから逆差別だと思うのです。

「権利」があれば問題ではない

 例外もあります。

 一つは、飲食店の「メンズセット・レディースセット」と呼ばれるものです。

 これは、料理のボリュームが大盛りかどうかの違いなので、男性がレディースセットを頼むことができますし、女性がメンズセットを頼むこともできます。

 まあ、女性が大盛りを選ぶのは少し恥ずかしい部分はあるかと思いますが、ちゃんと権利が与えられてるので平等です

 あるいは、ホテルの「レディースプラン」というものもあります。

 これは、宿泊施設のコスメが充実していたり、エステが付いていたりするものです。

 これも現時点では「女性がメイクをするものだ」「女性がエステをするものだ」というアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)があるからだと思います。

 そのうち、徐々に社会の流れによって無くなっていくと考えられます。

「新しい差別」を作るな

 というように、差別をなくすためには、安易に「過去に下げていたほうを上げる」というやり方で対処すべきではないと僕は思っています。

 差別を無くそうとするあまり、新しい差別を作ってしまっているからです。

 また、よく言われるのは「大卒以上に限る」というような学歴の差です。

 これも、一応は「誰でも勉強すれば大学に受かることができる」という条件があると思うので、平等だと僕は考えます。

 ただし、私立大学の医学部のように、学費が高すぎて金持ちしか入れないようなものは、無くすべきだと思っていますけどね。

 今後、ルールを作っていく人たちは、このような配慮や視点を持たないといけなくなるでしょう。

 その場だけをしのぐための新しい差別を作らないようにしましょう。それはただ問題を先送りしているだけなので、なんの解決にもなっていませんから。

(本稿は、1%の努力の著者・ひろゆき氏へのインタビューをもとに構成したものです。)

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。自身のYouTubeチャンネルの登録者数は160万人を突破。生配信の「切り抜き動画」が話題になり、ひと月の総再生回数は3億回を超えた。主な著書に、シリーズ50万部を突破した『1%の努力』『99%はバイアス』(ダイヤモンド社)がある。