家康に負けた
「戦国の女性」茶々

 北川景子の演じる茶々のあざといまでのすごみがNHK大河ドラマ『どうする家康』で好評だ。母であるお市の方と二役だが、お市の方としては、本当は家康と結婚したかったという無理な設定もあり、戦国きっての美女として適役というだけで終わっていた。

どうする家康で茶々を演じる北川景子さん北川景子の演じる茶々のあざといまでのすごみがNHK大河ドラマ『どうする家康』で好評だ Photo:JIJI

 だが、秀吉の側室・茶々として再登場するや、北ノ庄での母との別れのときに「私が天下を取る」と約束した怖い戦国の女性を見事に演じている。

 松本潤が演じる家康もたじたじなのだが、結局、茶々は家康に負けて豊臣家は大坂夏の陣で滅びてしまう。今回は、茶々のどこが間違っていたのかという観点から歴史を振り返る。

 ドラマでは、関ヶ原の戦いにおいて、茶々が石田三成の黒幕で、寧々は家康に好意的に動いたということになっていた。しかし、それは間違いで、寧々は西軍寄りで、茶々は妹の江が秀忠夫人なので煮え切らず、三成に軍資金も出さず、毛利輝元の出陣も邪魔したのである(『【どうする家康】関ヶ原の戦い「寧々は家康側」は本当?江戸時代からの“都市伝説”の真偽』参照)。