「これ俺のじゃん!」自分のファミコンソフトがテレビに…ファミコン40周年の年に起きた“小さな奇跡”本記事の主人公、遠藤寛和さん Photo by Ryosuke Kamba

プレゼントにもらった大切なゲームだから。絶対に「借りパク」されないように……。いまの中年世代が子どもの頃は、お気に入りのゲームに自分の名前を書いて保管する人も少なくなかった。

そんなゲームカセットが数十年の時を超えて、再び自分の前に姿を現したとしたら――。

1983年のファミリーコンピュータ発売から、今年で40周年。記念すべき年に起こった「小さな奇跡」を取材した。(ダイヤモンド編集部編集委員 神庭亮介)

思い出のカセットがテレビ画面に

「これ俺のじゃん!」自分のファミコンソフトがテレビに…ファミコン40周年の年に起きた“小さな奇跡”「ひろかず」と書かれた『エクセリオン』のカセット Photo by Ryosuke Kamba

「あれ? これ俺のじゃん!」

 東京都内のIT企業に勤める遠藤寛和さん(45)が夜中に何気なくテレビを眺めていると、見覚えのあるファミコンソフトが目に飛び込んできた。

 シューティングゲーム『エクセリオン』の青色のカセットに、黒いサインペンで乱雑に書かれた「ひろかず」の文字。小学2年生の時にクリスマスプレゼントでもらったやつじゃないか? それが、どうしてテレビに? 驚きと疑問が脳内に渦巻く。