「隠れ・捨て上手」が本領発揮するための環境整備(2)
片づけは欲張らず「○○だけやればいい」にする

「隠れ・捨て上手」な人は、片づけの段取りをできるだけシンプルにすることで、思いがけない集中力を発揮します。

●分ける、眺める、捨てる、しまう、は同時進行させない
 一度に複数のタスクを同時に進めようとすると、脳みそがすぐに疲れてしまいます。マルチタスクは厳禁、片づけは「シングルタスクの鬼」が正解です。

 例えば、「分ける」ときには「同じ仲間を集める」ことだけを考えます。

(冬用インナー、こんなにあったんだ……やっぱり減らしたほうがいいのかな)
(ペンは、書けるかどうか確認しようかな、そうしたら数が減らせるかもしれない……)
(この食器、割れて3個になっちゃったからもう使わないかな…でも気に入ってるんだよな……)

 いちいち(うーん……どうしよう……)などと考えていたら、あっという間にヘトヘトになってしまいます。そういうのは「分けて、同じモノで山を作る」が終わったあとの「眺める」の段階でやればいいのです。

「眺める」ときは「どの順番に決めていくか」を考えます。「今使っているモノ」〜例:オンシーズンの衣類、食器や文具〜や、「たくさん減らせそうなモノ」〜例:サイズアウトした昔の服〜からはじめると達成感が大きいのでおすすめ。「減らせる見込みが低くて、がんばって減らしても日常生活で変化が実感しにくい、たとえば溜め込んだ書類やしまい込んでいた古い文具のようなモノは、後回しが良いでしょう。

「捨てる」ときは、「捨てるモノ」ではなく「今使っているモノ」を選ぶことだけを考えます。(できれば取っておきたいけど……でも……)とうじうじしてしまいそうなモノは「保留」として脇によけておけばOK。「しまう」ときに、今使っているモノから収納に戻していって、最後、余った場所に保留アイテムを逃せばよいのです。

●段取りを任せたいならプロに伴走を頼むのもおすすめ
 整理収納サポートの分業パターンとして、よくあるのが上の段取り〜①収納から出す→②分ける→③眺める→④捨てる→⑤しまう〜のうち、③眺めると④しまうを依頼者が担って、①②⑤は伴走者の私が引き受ける、という方法。やらなければならないことがはっきりすると気が楽になるのか、多くの方が素晴らしい集中力を発揮されます。

 チャンスがあれば、ぜひ片づけのプロを頼ってみてください。「隠れ・捨て上手」な人に向いているのは、ストレートに「捨てましょう!」と背中を押してくれるタイプのプロよりも、黒子に徹して、みなさんの片付けを下支えしてくれるタイプのプロです。