「脳の三大要素はニューロン、ブリア細胞、そして血管。毛細血管を通じて、赤血球が脳の各部分に酸素を送っている。アルギニンを取り、同時に運動をすれば、筋肉が増え、血管が拡張する。結果的に脳の酸素量も増える。また、適度な運動はホルモン分泌を促し、新生ニューロンを増やすことにもつながる」(久恒氏)

 アルギニンを含む食品には、大豆食品や魚、肉がある。肉は「コレステロールが高いから」と敵視されがちだが、脳の健康のためには大切な食品なのだ。

 さらに、肉にはアラキドン酸という必須脂肪酸も豊富。このアラキドン酸は、ニューロンの先端にあるシナプスの材料になるので、きちんと補ったほうがいい。

 もちろん、アルギニンだけでなく、バランスのよい栄養摂取が大切だ。ただし、脳の栄養因子である「BDNF」というタンパク質は、カロリーを制限しているとき、通常の1.5倍出る。食べ過ぎを避け、軽いダイエットをしたほうが効果はありそうだ。

脳細胞を増やすために
 最後にとっておきの方法を紹介しよう。「恋愛」である。

 恋に落ちると、女性の場合、エストロゲンという性ホルモンが盛んに分泌される。これらが、海馬にあるエストロゲン受容体に働きかけ、活発な活動を促すのだ。もちろん、歯状回での新生ニューロンの成長も促進される。

 男性はテストステロンというホルモンを分泌するが、こちらもいったん脳内に入ると、一部がエストロゲンとなる。したがって、女性と同様に脳が活性化する。

 いくつになっても、異性へのときめきは失いたくないもの。連れ合いとの仲が冷めてしまった場合は、せめてテレビや映画のスターに恋をしてはどうだろうか。

(『週刊ダイヤモンド』副編集長 大坪亮)