同僚だけでなく
さまざまな「他者」の視点が重要

 ビジネスにおける「他者」とは、もちろん同僚だけではない。顧客や取引先の視点に立つことも重要だ。

 そして中には、相手が何を求めているのかを想像し、他者に貢献することに「やりがい」を見いだせる人も存在する。入山氏によると、こうした種類のモチベーションを経営学の世界では「プロソーシャル・モチベーション」と呼ぶという。

「他者の立場を想像すること」が重要だとはいえ、もし「嫌々やっている人」がいるとすれば、パフォーマンスが上がらないことは言うまでもない。やりがいを感じて自然にできる人が集まっている組織こそが強いのだ。

 やや難しい言い方になるが、シェアード・リーダーシップとプロソーシャル・モチベーションを高水準で持ち合わせている組織は、サッカーでもビジネスでも「勝てるチーム」だといえるだろう。

「皆さんも、仕事でチームがうまく機能していないと感じたら、メンバーが『自分の視点』しか持っていないケースがほとんど。そんなときは、相手が自分に何を期待しているのかを考えながら行動すると、良いチームをつくれるはずです」と、入山氏は提言している。

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