2024年1月からついに開始される「新NISA」。この機会をきっかけに投資をはじめてみようと考えている人も多いのではないだろうか。そんな新NISAは、実は初心者が投資をはじめるのに最適な制度と言える。だが、落とし穴がないわけではない。目先の利益に執着してしまったり、経済の動向を見て焦って投資をやめてしまったりする人も少なくない。
そんな課題を解決するために12月に発刊されるのが『新しいNISA投資の思考法』だ。本書はこれまで37万人の資産運用を見続けてきたウェルスナビ・CEOの柴山和久氏が投資に必要な考え方を1冊にまとめたまさに決定版だ。本記事では先行して本文の一部を抜粋してお届けする。
知らないうちに投資のリスクが高まっているかも
資産を分散して最適な資産配分を作った後、資産運用を続けていくうえでは、「リバランス」を行う必要があります。リバランスとは、最適な資産配分を保ち続けるよう、調整することです。
多くの場合は、「値上がりした資産を売って、値下がりした資産を買う」という方法によって、リバランスを実現します。最適な資産配分で資産運用をスタートしても、相場は日々動いていきます。
たとえば、初めは「株式50%、債券50%」といったように、配分比率を決めて、それぞれの資産を購入したとします。
その後、株式の価格が上がると、配分比率は変わってきます。放っておくと、配分比率は、「株式60%、債券40%」のように、最初に決めた比率から離れてしまうかもしれません。配分比率が変わった場合に、元に戻すことをリバランスと言います。
先ほどの例であれば、「株式60%、債券40%」とずれてしまった配分比率を、元の「株式50
%、債券50%」に戻すには、値上がりした株式を売って、債券を買い増します。
このリバランスによって、最適な資産配分に戻します。投資の原則である「長期・積立・分散」の資産運用では、このリバランスを行うことが非常に重要です。
リバランスを行わないことで、知らないうちに、本来取れるリスクよりも高いリスクを取ってしまうことがあります(反対に、本来はもっとリスクを取れるにもかかわらず、リスクが下がって得られるリターンも下がっているということもあります)。リバランスを行うことで、中長期的にリスクを下げつつ、リターンを上げられるとされています。