【誤解3】
投資がよく分からないからiDeCoはできない
iDeCoは運用商品として、投資信託以外に定期預金のような元本確保型商品もあります。ですから、投資が苦手という人もiDeCoであれば、積立時の所得控除や運用中の非課税メリットを受けながら老後資金づくりに利用できます。
【誤解4】
取扱商品が多い金融機関を選ぶのがよい
すべての人にとってよいとは言えません。もともと個人で株式や投資信託を売買していた人にとっては、商品ラインアップが豊富だと自分が買いたいと考えている商品が含まれている可能性が大きいので、よいと考えるのはよく分かります。
一方で、初めて投資信託をiDeCoで買う、あるいは会社の企業型DCでは投資信託を運用商品として選択しているけれど、個人として証券口座を開設して取引をしたことがないという人からすると、取扱商品が30本以上あって、例えば外国の株式に幅広く投資するパッシブ運用の投資信託だけでも5本や6本もあると、それらの商品の違いがうまく判断できず、どれを選んだらよいか分からないという状態になりかねません。
そういう人には、自分が買いたい商品が含まれていることが大前提ですが、なるべく商品ラインアップが絞り込まれた金融機関で契約した方が、商品選びの際のストレスが少なくて済みます。
【誤解5】
ネット証券の方が営業されなくてよい
iDeCoは法令により、金融機関が特定の商品を薦めることが禁止されています。また、個人の氏名・住所・生年月日、iDeCoの資産額といった個人情報についても、本人の同意がある場合を除き、制度運営の業務遂行に必要な範囲内でのみ使用することが規定されています。
つまり、自分が同意しない限り、iDeCoで提供した個人情報が営業などに使われることはありません。
そういった意味ではネット証券でも、対面証券でも、銀行でも、iDeCo口座を開設したからといって商品の売り込みなどがされるわけでないので安心してください。
【誤解6】
専業主婦(主夫)をしている間は利用しても意味がない
専業主婦(主夫)の場合、所得税・住民税を負担していないので、iDeCoで掛け金を積み立てたとしても、これらの税負担が軽減されるメリットは受けられません。
しかし、積み立てを続ければしっかりと老後に向けた資産形成ができますし、加入期間が1年増えるごとに一時金の受取時の退職所得控除を40万円分(加入期間が20年超の場合は70万円分)増やすことができます。
また、子育て中の人であれば、保育料が下がるケースもあります。保育料は特別区民税・市町村民税に基づいて算出されますが、iDeCoの掛け金は世帯の所得から控除できるので、所得割額が下がって保育料が下がることにつながります。
保育料が完全には無償化されていない0~2歳児限定のメリットではありますが、専業主婦(主夫)の期間も積み立ての継続を前向きに検討してはいかがでしょうか。