総額6億円の資金調達で事業を加速

そんな食べチョクがさらなる進化を見据えて事業を加速させる。運営元のビビッドガーデンは8月4日、ジャフコ、マネックスベンチャーズ、VOYAGE VENTURES、デライト・ベンチャーズ、NOWを引受先とした第三者割当増資により総額6億円を調達したことを明らかにした。

ビビッドガーデンでは2018年2月に複数の個人投資家から4000万円、2019年10月にVCなどから2億円を調達済み。今回はそれに続くシリーズBラウンドという位置付けで、ジャフコ以外の4社は全て既存投資家だ。

調達した資金は主に人材採用とマーケティング、物流体制の強化に用いる。領域としては特に生産者のサポート体制をアップデートしていく計画。その取り組みの一環として、。9月をめどにヤマト運輸とシステム連携を開始予定だという。

90代の生産者も出品するオンラインマルシェ

野菜や果物をはじめ、さまざまな生産物が並ぶ「食べチョク」
野菜や果物をはじめ、さまざまな生産物が並ぶ「食べチョク」

ビビッドガーデンは2016年11月創業のスタートアップ。秋元氏は前職のDeNAでソーシャルゲームのマーケティングやチラシ情報アプリの事業開発などに携わった後、ビビッドガーデンを立ち上げた。

秋元氏の実家は以前から農業を営んでいたものの、市場出荷のみで経営を維持することが難しくなり、やがて遊休農地へ。他の農家にも話を聞く中で収益面や販路を始めとした生産者の課題を知ったことが、食べチョクを始めるきっかけになった。

通常の流通方法では多くの中間業者が存在するため生産者の粗利が少なくなる構造になっているほか、価格が一律で決まってしまいこだわりが反映されないという課題がある。食べチョクの場合は生産者自ら価格を決定することで、こだわりの食材を適正に販売できるのが特徴。同サービスが生産者と消費者を直接繋ぐため、手数料も明確で、膨れ上がる心配もない。

食べチョクのビジネスモデル
食べチョクのビジネスモデル

2017年8月のローンチ当初はオーガニック農作物の生産者と消費者をマッチングする比較的シンプルなマーケットプレイスだったが、この3年で商品の「幅」も「買い方(売り方)」もかなり拡張した。

昨年9月に肉と魚の取り扱いを開始。今では乳製品や加工品、お酒、調味料、花など約8000品が食べチョク上に並ぶ。

「後付けではなく、ゆくゆくは商品の幅を広げていく構想でした。最初に野菜を選んだのは購入頻度が高くて、お客さんとの接点を持ちやすい『良い商材』だからです。野菜で成功事例が出てきたので、この1年で多角化を進めながら1人のお客さんに少しでもたくさんの商品を買ってもらうことを目指してきました」(秋元氏)