「この部分を解けるソフトウェアはまだ、なかなかありません。問題ごとにエンジニアがアサインされて、問題の知識をたくさん埋め込んだソフトウェアを頑張ってチューニングして作ることが多く、そうでなければ最適化しないで人の勘を使うことになります」(山城氏)

山城氏は、Jijではアルゴリズムの力を使うことで、このような大きく複雑な問題を解けないハードウェアでも、問題を解けるようにするのだと説明する。

「大規模な(最適化)問題を汎用的に解くためのクラウドサービスを提供するとことによって、どんな人でも、どんな大規模なサービスでも最適化技術を簡単に取り入れられることができるようにするのが目標です」(山城氏)

スマートシティをより近い未来に実現するために

今後は「PoCプロジェクトを継続しながら、社会問題からのフィードバックでミドルウェアをより良くしていくための開発者やエンジニアを増やしたい」と山城氏は調達資金の使途について触れている。

また対象となる事業としては、物流、電気・ガスといったインフラ領域に加え、KDDI、日立製作所と進める5G通信に関するプロジェクトも既に実証を始動している。

「街をどう大きく最適化していくかといった課題は、先ほど説明した問題のサイズが大きく、複雑なエリアのもので、ソフトウェア、アルゴリズムとしてサービスを実現しにくいところ。そこをもっと円滑にして、スマートシティをより近い未来に実現できるようにするために、我々のJij-Cloudはあります」(山城氏)

また、産業の根幹にあるような材料、物体の構造の最適化も複雑で変数の大きい問題だとして、Jijが扱う対象として考えているという。この領域の最適化計算についても研究中で、今後、提携できる企業を探してアプリケーション化を目指したいと山城氏は話していた。