マイページからは送られてきたおやつの評価や、食べてみたいおやつのリクエストができる
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“ウェブサービスを開発する要領で”おやつを作る

ユーザーから一つひとつのおやつに対する生の声が大量に集まることで、商品開発のあり方そのものをアップデートできるのもsnaq.meの面白いところだ。

たとえば特定のジャンルの商品が全体的に評価が高いことがわかれば「実際に作る前からある程度人気が出ることがほぼほぼ見えている状態」なので、別のフレーバーを試してみるなど重点的に開発を進めることができる。

似たような商品でどちらを残すのが良いか迷ったら、ABテストのような要領で双方をユーザーに試してもらいながら点数が高い方を採用することも可能。エッジの効いた商品なら小ロットだけ作ってみて、評価データを見ながら今後の方針を固めてもいい。

「従来のプロセスでは半年〜1年かけて1つの商品を作り込み、その中でグループインタビューやアンケートを繰り返しながら商品化に向けて動いていくという形が多かった。でもsnaq.meのやり方は全く逆で、ウェブサービスみたいにまずはベータ版を出してみて、反応を見ながらブラッシュアップをしていく感覚に近いんです。たとえば同じ商品でも途中でレシピを改良したりといったことは頻繁にやっています」(服部氏)

snaq.meで扱うおやつは社内で開発したレシピをOEM先の生産者に作ってもらうこともあれば、取引先の生産者にユーザーからの評価データを渡して共同開発に近い形で作り込んでいく場合もある。

今は生産者側から新商品の提案を受ける機会も増え、服部氏いわく「良いサイクルが回り始めている」そう。生産者にとってもsnaq.meが重要なチャネルになりつつあり、中には売上の20%がsnaq.me経由の生産者も出てきている。

直近ではコロナの影響で打撃を受けた土産屋や和菓子店などと共同でEC向けの商品開発にも取り組んだ。今では取引のある生産者の数も100社を超え、生産者向けの共創プラットフォームとしての役割も担うようになってきた。

「コロナの影響も受けて、生産者の方々のためにできることがあると再認識しました。店舗に卸すことが多かった生産者であれば、そもそも直接顧客の声を聞く機会もほぼありません。それがsnaq.meでは各商品に露骨に点数がついて、フィードバックが得られる。自分たちがユーザーとの接点となってその情報を開放していくことで、生産者はデータを基に新商品開発にチャレンジできるようにもなります。こういった機会を今後はもっと増やしていく計画です」(服部氏)