リリースから5年で累計1万9000組を撮影してきたラブグラフ。駒下氏は、今回の提携によって、みてねからの申し込みだけでも約2万組の撮影が入ることを見込む。

「そこにオーガニックで獲得するユーザーが加わるので、会社として過去5年の実績がさらに上乗せされる。それほどのインパクトがあります」(駒下氏)

“子どもの写真・動画”に特化したことで成長

リリースから5年。右肩上がりで成長を続けてきた両サービス。みてねは当時、FacebookやInstagram、LINEなど写真・動画を共有するSNSが台頭する中、“子どもの写真・動画”に特化することで、独自の立ち位置を築き、ユーザーを獲得していった。

「自分の実体験もそうですし、周りの親にヒアリングしても子どもの写真・動画がカメラロールを占める割合が高いんです。もちろん写真・動画の共有SNSもいいと思いましたが、子どもの写真・動画だけ切り取ってもそれなりのボリュームを獲れるのではないか」

「逆に切り取ったからこそ、かゆいところに手が届き、熱量高く使ってもらえる可能性があるのではないか、と思いました」(笠原氏)

競合アプリやメッセンジャー、LINEなどの代替サービスもある中、みてねは「シンプルで使いやすく、使っていて心地がいいこと」を意識し、サービスを磨き続けていった。

「この5年で想像以上に多くの人にみてねを使っていただけたと思っています。子どもの写真・動画に特化し、招待した家族だけで共有できる。このコンセプトを磨いていくことでサービスとして成立させられる確信が持てました。また運営していく中で、想像以上に意義のあるサービスになっていると日々、感じています」(笠原氏)

 

例えば、家族が写真・動画にコメントするほか、子ども自身がみてねで自分の小さい頃の写真や動画を見たり、コメントを読んだりしているという。

「自分がどのように育ってきたかを振り返ることができ、さらに家族のみんなからどのように愛されてきたかに気づけるんです。愛情が連鎖していき、世代をつないでいく。それは、みてねが提供している大きな価値だと思います」(笠原氏)

その価値はコロナ禍で大いに発揮された。今までは子どもに会いに行ったり、お盆期間に祖父母の家に帰省したりするのが当たり前だったが、新型コロナで状況は一変。直接会う機会が減ってしまったからこそ、写真・動画を共有するみてねが活躍。コロナ禍における家族間のコミュニケーションインフラになることで、利用者が拡大。家族のコミュニケーション量(みてね内のコメント数)は2020年1月と5月を比較して、約1.6倍に増加している。