「我々が提供する3つの価値、すなわちブラックボックス問題の解消、担当者のセルフコーチングの実現、リモートワーク環境の実現・最適化というのは、業界や規模を問わず、どこでも実現したいこと。金融機関からメーカーまで、一部上場企業から中小企業まで、広くあまねく導入いただいています」(會田氏)

MiiTelにより起きた“電話のGmail化”がテレワーク推進にも貢献

電話業務の生産性向上だけでなく、周辺業務の効率化や導入・管理・運用コストの削減でも、MiiTelは役立っていると會田氏は話している。

経営や情報システム部門の視点では、電話営業部隊やコールセンター立ち上げは、従来なら電話機手配から電話線の接続、PBXをインストールするサーバーの準備などで、時間も費用もかかることだった。會田氏は「MiiTelにより、電話のGmail化のようなことが起きた」と説明する。

「MiiTelを使えば、ユーザーを追加するだけで、電話環境が整います。電話機器は一切不要になり、そのコスト削減効果だけでもMeeTelを導入する意味が出てきます」(會田氏)

事業責任者やIT担当者の観点でも、電話担当者の割当作業をウェブサービスの画面上から完結できるため、オペレーションコスト、管理コストが抑えられると會田氏はいう。

「着信ルールの設定も簡単で、自動応答機能やリストを使ったアウトバウンドコール発信など、小さな規模の企業でも受電・架電業務の生産性向上を図れます。電話番号ごとのステータス、エージェント別の応対状況なども一覧できるなど、電話プラスアルファの機能の全てがここに実装されています」(會田氏)

実際の導入効果では、商談獲得率が上がることによる利益向上、架電工数や通話・録音費用、教育工数、ハードウェア費の削減によるコスト低下により、「中小企業でも500%ほどの投資対効果が出ている。大企業では電話業務にそもそも大きく投資していることから1000%を超える効果が出る」(會田氏)とのことだ。

利用料金は1IDあたり5980円の月額制で初期費用不要、1台から申し込める。録音や分析機能のない通常のIP電話で1台あたり月額6000〜7000円というのがこれまでの相場で、録音すれば追加で1〜1.5万円かかっていたところを、約2分の1〜3分の1の費用で導入できることから、7月現在で300社以上の企業が利用。冒頭にもあるように2年弱で1万超のユーザーに活用されるサービスに成長した。

「ここまで顧客の声を聞き、支援を受けながら、プロダクト開発に当たってきました。結果として現場で使われて、顧客の利益にコミットするようなものが作れている。これはSaaSのよいところです。所有から利用への流れの中で、売って終わりではなく、売ったところが始まりになり、顧客とコミュニケーションしていく中で何が課題なのか、どういう機能が望まれているのかに基づいて開発を進めてくることができました。顧客の声に沿った機能を比較的早い時間軸で提供できてきているのではないかと思います」(會田氏)