担当者は通話後、キーワードが出た中でも重要な箇所については抜粋してコメントを付け、URLを発行してCRMツールなどで共有することも可能だ。このため、後でフィールドセールス担当者や上司がリンクから会話を再生(または倍速再生)して内容を確認することができる。

自動文字起こし機能では、全文文字起こしだけでなく、文字起こし結果が自動的に要約され、システムにインプットされる。これにより、担当者が通話後にメモなどで記録を残す「後処理対応」の時間を大幅に圧縮。担当者はこれまでやり取りの概要を自分で書き起こす必要があったところを、文字起こし結果へのリンクと箇条書きの数行のメモで報告を終えることができる。

会話の全文・要約が自動でインプットされる文字起こし機能
会話の全文・要約が自動でインプットされる文字起こし機能

「電話営業での平均後処理時間(ACW)は、アウトバウンドで1回当たり平均15分ぐらい、インバウンドで平均10分ぐらいかかります。これをいかに削減するかが生産性向上につながるため、インプット工数が下がることは重要です。一方、インプットされる側のフィールドセールス担当や管理者にとっては、受け取れる情報量が増えます。これまでの概要では分からなかった、パーソナリティーや会話のニュアンスまで詳細に把握できるようになるため、成約率が上がるのです」(會田氏)

通話や会議の自動文字起こし機能そのものは、最近珍しいものではなくなってきているが、會田氏は「他社ではGoogleやAmazonなどの音声解析エンジンを利用するケースが多いですが、我々はエンジンを自社で開発しています。80人いる社員の約半分がエンジニアという体制で、大学などとの提携で研究にも力を入れている」と強調する。

「GoogleやAmazonなどが得意とするのは音声コマンドを使ったプライベートな会話の解析です。我々のように、ビジネス用途の自然会話をコーパス(教師データ)として解析エンジンを作るところはなかなかないので、それに特化したエンジンを持っていることは強みとなります」(會田氏)

ダッシュボードでは、日次通話回数や通話時間、曜日・時間別のつながりやすさなど、組織全体の発着信の統計情報が確認できるほか、担当者別の傾向もつかめる。個別通話の解析に加えて統計的な評価を知ることができるため、研修や指導に頼ることなく、担当者が自発的にトークの改善を図ることが可能になる。

ダッシュボード画面
統計情報により担当者が自分のクセを把握して改善を図ることができる

コロナ禍においては、多くの企業がリモートでの営業やコールセンター運営、在宅勤務への切り替えを行っている。MiiTelはもともとPCとヘッドセット、ネット環境が整っていればどこからでも電話業務が可能になるシステムだが、「MiiTelを使って在宅業務の環境を整える企業は、コロナの影響もあって急増しています」と會田氏はいう。