電話営業やコールセンターの担当者が、上司や訪問営業の担当者に顧客との通話内容を伝達するとき、これまでは、ほかの営業・関係者への共有のしづらさ、ニュアンスまで伝えきることの難しさがあり、自分自身でも通話の良し悪しや成果を振り返りにくいという難点があった。
報告を受ける上司や営業担当者にとっても、報告者のバイアスがかかったり、各担当の課題を事実ベースで把握できなかったりして、失注分析や次のアクションへのアドバイスが難しいという悩みがある。會田氏はこれを「顧客と担当者が『何を』『どのように』話しているかが分からない“ブラックボックス問題”だ」と語る。その結果、「なぜ成約したのか、なぜ失注したのかも分からない、労働集約型の属人的な営業になっていました。これが電話営業やコールセンターにおける本質的な課題です」と説明する。
「この課題に対して人工知能を活用して、担当者と顧客が『何を』『どのように』話しているか可視化し、成約や失注の理由を明らかにすることで生産性の高い営業にシフトしましょう、というのがMiiTelです」(會田氏)
独自の音声解析エンジンが強み、電話業務の生産性向上を支える
MiiTelは音声解析機能、自動録音・自動文字起こし機能、CRM/SFAツールとの連携機能により、電話営業・コールセンター通話の“ブラックボックス問題”の解消を図る。また担当者のセルフコーチングを実現し、どこからでも電話業務を可能にするリモートワークにも対応する。
音声解析では、顧客と担当者が「どのように」話しているかを、会話の抑揚や双方が話す時間の割合、相手の話中に話をかぶせる“被り”の回数ややり取りの回数、話す速度(話速)など、さまざまな角度からの分析結果を可視化する。
たとえば双方が単位時間当たり何文字分話しているかを測定する話速では、相手の話すペースに合わせて話をする「ペーシング」で相手との心理的な距離が縮むことを応用して、顧客のプラスマイナス10%以内の速度で話せているかどうかを知ることができる。
「こうして担当者がどのように話しているか、どこに課題があるのかを定量的に可視化することができます」(會田氏)
また「何を」話しているかについては、ひらがなでキーワードを設定しておくことで、AIが検出し、担当者と顧客のどちらがいつ、何回キーワードを発言したかを可視化。営業上のキラーワード、キャンペーンワードをしっかり発言しているかどうか、後で振り返りに活用することができる。また、金融機関や保険会社などでは「必ず儲かる」などのNGワードを発していないか、重要事項説明を行っているかといったコンプライアンス上のモニタリング用途でも使われているそうだ。