なお、今回のiPhone 12シリーズから、iPhoneのパッケージに有線イヤホンとUSB-AC充電器は同梱されなくなる。アップルはこの措置によってレアメタルの無駄遣いを防ぎ、パッケージのサイズを減らすことで環境負荷を下げられると説明している。ケーブルはLightning・USB Type-Cケーブルが付属し、汎用のUSB Type-C充電器で利用できる。
スマートスピーカーの小型版「HomePod mini」
iPhone以外には、スマートスピーカーの小型版「HomePod mini」が発表された。編み込みが施されたコンパクトなデザインで、従来の「HomePod」よりも低価格なモデルだ。
Apple HomePodは3万円台と高価格なこともあり、競合のGoogle NestやAmazon Alexaに遅れを取ってきた。アップルではiPhone/Apple Watchとの統合性や使い勝手の良さ、プライバシーへの配慮をこの製品の特徴としている。
iPhoneを使っている環境なら、家族でHomePod miniを活用できる。個人の認識機能を備えており、声から発言した人を判別できる。たとえば「Hey、Siri? アップデートはある?」と聞けば、「今日の天気は晴れで気温は27度、カレンダーには○○という予定があり、▲▲さんからメッセージが届いています……」と、その人物のiPhoneに登録された内容も含めてまとめて応答してくれる。
また、HomePodを活用した新機能として、「Intercom」が搭載された。Intercom機能は家族間連絡用の内線機能だ。家族が使っているiPhoneやiPad、Apple Watchへと一斉に伝言メッセージを送る機能や、それに応答する機能が含まれている。
「5Gで何をするか」を問い直したiPhone 12
技術としての5Gは未だ発展途上で、世界のキャリアもエリアを徐々に広げつつある状況だ。そこに投入されたiPhone 12は、Android陣営から1年のビハインドがあるとはいえ、投入時期としては遅くはないだろう。
むしろiPhone 12の投入が5Gの展開を早める起爆剤となる可能性がある。5Gでスマホの通信が速くなることそのものには大きな価値はない。重要なのはそこで新しい使い方が生まれ、新たなサービスへと繋がっていくことだ。iPhone 12シリーズはそのパワフルな能力によって、5Gのポテンシャルを生かす発想を育む素地となることだろう。