CTOutは、Value marketの株主で、ウノウ(Zynga Japan)やUUUMでCTOを務めてきた尾藤正人氏が、技術顧問としてエンジニアをOJTサポートしながら、最短6カ月でCTO/VPoEを目指すプログラムだ。

CTOutサービスフロー
CTOutサービスフロー 画像提供:Value market

エンジニアは企業へCTO/VPoE候補者として参画し、尾藤氏による定期的な1on1やSlackによるサポート、個別研修を受ける。エンジニアはこれらのサポートを無料で受けることができ、6カ月間のプログラム終了後に企業・本人ともに合意した場合は、そのまま企業に参画することができる。

企業側は、Value marketからCTO/VPoE候補者の紹介を受けることができる。プログラム期間中は、候補者の報酬に応じた委託料と、技術顧問による候補者へのサポート費用を負担する。顧問費用は、サポート頻度や内容を事前に企業とすり合わせて決まる。

Value market技術顧問 尾藤正人氏
Value market技術顧問 尾藤正人氏 写真提供:Value market

「CTOやVPoE人材となると、もはや企業とエンジニアの“マッチング”の問題ではありません。どこかからいい人を連れてきてはめ込めばいいというものではなく、事業の成長や人の成長がより複雑で、お互いがお互いに変化し合って新しい組み合わせになっていくようなところがあります。その過程で企業文化が新しく醸成されることもある。そもそも即戦力のCTOとして顕在化している人は非常に少ないですし、条件も厳しいです。『CTOを連れてくる』というよりは優秀な人が『CTOになっていく』というイメージです」(内田氏)

日本ではIT組織、IT人材の存在感が足りないと内田氏はいう。「CTO/VPoEになっている人も欧米に比べれば少ない。だがCTO/VPoEになりたい人、なり得る人はたくさんいるはずなんです。Code Climberで支援して成長した人には『そろそろ大きな挑戦として、CTO/VPoEにチャレンジしてみては』と言える機能を用意したい。キャリアは線ですから、受け皿としてのCTO/VPoE育成サービスをつくっておきたいのです」(内田氏)

スタートアップのみならず、中小企業でもデジタルトランスフォーメーション文脈で、データの活用を考えるところは増えているが「開発責任者がいないのが悩み」というところも多い。内田氏は「CTOは天才である必要はありません。IT組織を牽引する人材で、その会社に合った人をCTOとして迎えられればいい。そうして社会全体のITの底上げができることが大事だと考えています」と語る。