料金は月額のチケット制(4回分で月額1万円。毎月システム利用料1000円が別途発生)となっていて、興味があるものを自由に選べる仕組み。チケットは兄弟・姉妹でシェアすることもできる。

冒頭で触れた通りアクティビティはライブ配信形式で、画一的な正解を教えるのではなく、1人1人が自らの考えを発表したり、実際に手を動かしてものづくりを体験したりする機会を多く組み込む。今夏に実施したクローズドベータ版では延べ200人がアクティビティに参加し、小学生の子どもでも60分以上集中的に取り組めるなど、手応えを掴めたという。

好奇心を広げる仕掛けとして「自分で簡単なゲームを作ってみる」「動画を撮影してみる」といったように、自宅でチャレンジできるホームミッションを合わせて提供。共通の好きなことや趣味を持つ子ども同士がオンライン上で繋がれるSlackコミュニティ「SOZOWキャンパス」も用意する予定だ。

2021年1月の正式リリースのタイミングでは、ゲームプログラミングやITリテラシー、ビジネス・起業、お金を含む8つのアクティビティからスタートする計画。その後もウェブ3Dデザインやサイエンス、宇宙などラインナップは随時拡大していくという。

実は創業当初、小助川氏はこうした取り組みをオフラインの場から広げていくことを考えていた。過去に2度ほど多様なアクティビティを体験できるオフラインイベントを開催。2月に池袋で実施したイベントには5000人の参加枠に対して、約1万1000人から応募があった。

ただその直後、日本でも新型コロナウイルスの影響が深刻になり、オンラインにシフトすることを選んだ。想定外の事態ではあったが、結果的にはポジティブな面も多かったという。

「1ライブ配信あたり最大で500名まで参加できる仕組みにする計画です。それができるとリアルな場で開催するよりも効率的ですし、教室を増やすコストも抑えられます。また地方の場合などは、自分の身の回りで直接学べるものの選択肢がどうしても限られてしまいがちです。オンラインにすることで場所の制約を一気になくすこともできます」(小助川氏)

子どもの興味や関心のログをデータとして蓄積しやすいのもオンライン化の利点の1つだ。SOZOWの正式版では子どもの興味や性格などを分析して「個性」を可視化する仕組みを導入すると共に、その個性を伸ばすのに最適な情報を自社・他社問わずキュレーションして届ける取り組みを行う計画もある。中長期的には動画のアーカイブデータから子どもの表情を分析できるようなテクノロジーも取り入れていきたいとのことだった。