2021年はSaaSに加え、マニアックなレガシー領域のDXに期待

2021年については、引き続きB2BのSaaSモデルの会社は投資が集まると予想しています。2020年のSaaS銘柄の株価が好調であったこともありますが、何より「予実管理がしやすい」点が、上場のルールに向いていることが大きいと考えています。

また、マザーズ上場ベンチャー企業の株価が高騰した事業領域には、今後も継続して投資が集まることが多いです。その観点からも、SaaS企業に引き続き投資が集まると考えています。

SaaSのほか、医療・ヘルスケア、インフルエンサーには今後も期待

SaaS領域では、Google、freee出身の村尾祐弥氏が手掛けるマジックモーメントに注目しています。大手企業向けにサービスを提供できる布陣であり、2020年も大きく成長していますが、2021年も期待しています。

予実管理などの経営管理系SaaSとしてプロフィナンスも期待しています。経営者の木村義弘氏の人間力、粘着力は非常に強く感じているので、すぐにPMFしなくても何とかしてくれると期待感があります。冒頭に紹介した医療・ヘルスケア領域も、菅総理による「オンライン診療」の恒久化に向けた取り組みが進むなど、今後も注目すべき領域だと考えています。

東証一部上場のエムスリーの評価は上がり続けており、2020年12月現在で時価総額は6兆円を超えています。医療・ヘルスケア領域のこの上昇トレンドは続いていくのではないかと思います。

他には、インフルエンサー領域も引き続き成長していくのではないかと考えています。そういった意味で、BitstarFirebugに注目しています。領域に期待できるだけでなく、経営者も強いので着実に成長を遂げています。

一方で、個人的には銘柄的にも過当競争すぎるかな? という感覚もあるので、もっとマニアックな領域に着目していきたいと考えています。

小売・店舗など領域特化型のSaaS

そのひとつが領域特化型のSaaSです。

例えば、小売向けではMatchbox Technologies。新潟発のスタートアップとしてコンビニエンスストアのローソンを10数店舗運営しています。ただコンビニの実店舗を運営するのではなく、その経験を活かして小売向けのSaaS事業に展開しています。

店舗向けのSaaS事業を展開するLerettoも成長が見込めます。代表2人の「巻き込み力」が素晴らしいです。店舗向けといえばシフト管理SaaS「らくしふ」のクロスビットも着実に成長していくのではないかと予想しています。