分野別で見ると、最もうまくやった分野として外交が23.9%、次いで労働が13.1%、不動産が12.0%、対北朝鮮外交が11.9%、福祉と経済が各8.1%。一方、うまくやった分野がないという回答が40.1%で一番多かった。

 聯合ニュースが依頼したメトリックスによる世論調査では、尹錫悦政権の支持率が37.5%、不支持率が60.0%であった。

 支持する理由としては、国防・外交39.8%、科学・技術37.6%、保健・福祉36.9%、文化36.8%、経済32.0%の順となった。支持しない理由は経済63.5%、保健・福祉57.0%、国防・外交36.9%、文化54.0%、科学技術52.9%である。

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 北朝鮮核の拡大抑止を盛り込んだ「ワシントン宣言」の採択などの成果を上げた尹錫悦大統領の訪米については55.5%が肯定的、40.7%が否定的に評価した。

 米中央情報局(CIA)は「金正恩が来年、尹錫悦政権を相手に取り攻撃的で致命的な制限的挑発をする可能性がある」と指摘する。

 また、韓国・峨山(アサン)研究所は「北は軍事的脅威を加えながら主導権を握り、すべては韓国が9.19合意を破棄したからというハイブリッド戦を駆使するだろう」と予想する。

 しかし、北朝鮮が強硬に出れば、弱腰であった文在寅政権に対する評価が一層低くなり、野党にマイナスになる可能性がある。したがって、政府・与党としては北朝鮮の情報戦に足をすくわれないよう、正しい情報を流し続ける必要がある。

 その意味でも尹錫悦政権が、文在寅寄りの放送関係者の一掃を図っていることは必要な措置なのだろう。

(元駐韓国特命全権大使 武藤正敏)