「祈り」と「願い」
決定的な違いとは

 自分の望む情報空間とアクセスするために、私たちは一つの大きな力をもっています。
 それは、祈りの力です。

 人間の祈りが、対象となる他者や状況に確実に影響を与えることは、科学的な実験ですでに証明されています。たとえば、複数の人が一定期間祈った結果、特定の町の犯罪率が減ったり、あるグループの妊娠率が上がったりしたという報告が実際にあるのです。

 では、願いを実現する祈りとはどんなものでしょう。

 まず、祈りは「お願い」とは違うということを知ってください。
 祈りとは本来、「意図(意思)」を乗せること。つまり、「自分自身の意識・意図を伝えること」です。

 龍神を相手にして、
「私にはこんな目標があります。だから、これをやろうと思っています」
「私はこういう理由で、こんなことをしたいのです」

 などと自分の意図を伝えることが、本当の祈りなのです。

龍神に祈りを伝える
極意とは

 ビジネスでの交渉も、ゴールとやるべきことを明確にしなければ相手に伝わりません。
 そのプロジェクトの先にどんな光景が待っているのか。それが明らかになっていなければ、相手の心は動きません。
 それは龍神も同じです。

 龍神にその目標が実現した先の光景がどんな未来なのかを、想いをこめて伝えることが大切です。
 その光景が「あなたが成長して世の中に貢献すること」である場合、龍神があなたに必要となる情報空間につないでくれるのです。

 ですから、自分がどのように成長したいのか、何を達成したいのかを龍神にはっきりと伝えましょう。

 祈りを届けるコツは、実際に龍神が目の前にいるかのような気持ちでコミュニケーションすることです。

 意図を乗せて伝えるのですから、私たちがふだん人間相手に行っているコミュニケーションと変わりません。あるいは、プレゼンと思ってもいいでしょう。
 最初のうちは、龍神の存在は感じられなくても大丈夫です。

 私たちは長い間、龍神は「崇高な存在」であり、完璧で「畏れ多い存在」だと考えてきました。ですから、龍神を身近に感じられなくても仕方がないのです。

 もちろん、見えない存在に対する尊敬の念をもち続けることは大切です。

 しかし、一方的に崇め奉る存在ではなく、龍神と人間はともにタッグを組んでこの世界をよくしていく関係だと意識して、祈りを届けましょう。

神社が祈りの場
である理由

 基本的に、いつでもどこでも祈ることはできますし、祈りは届きます。

 でも、いきなり祈れといわれても、戸惑ってしまいますよね。そんな人のために、昔から受け継がれてきた祈りの場所が、神社なのです。

 神社は、もともと神が宿る自然という依り代がある場所に社殿が建ち、代々参拝されてきました。祈りが届きやすいようにエネルギーが浄められた場であり、何より龍神や神様がいる場所です。神社は、祈りを届ける絶好の聖域なのです。

 私たちの先祖も、太陽や滝、岩、鎮守の杜などの自然物を見て手を合わせてきました。思いを向ければ、私たちも龍神や神様の情報空間にいつでもアクセスできるのです。

大杉日香理(おおすぎ・ひかり)
神社風土史家、作家、ビジネスコーチ
海外出版含め、著作は累計40万部。子どもの頃から日本史に興味を持ち、全国各地で参拝した神社は延べ2万社となる。その経験を生かし、神社風土史を提唱。神社で行うアクティブラーニングである『神旅®』はこれまでに1万名以上を動員。神社風土史を通じて、個人の可能性の発掘と社会での生かし方を伝えている。天皇陛下の即位関連の儀式と連動した「『天皇陛下即位礼正殿の儀』特別体験型参拝」を神田明神と共同開催。また船橋市での起業セミナーでは歴史と経営の重要性を講演。衆議院会館にて選挙に勝つ神棚講座も開催し、先人の知恵を独自の視点で伝え続ける。

※※本稿は、大杉日香理・著『龍神とつながる強運人生』(ダイヤモンド社)より再構成したものです。