モチベーションは
行動の継続と無関係

最初の一歩“だけ”踏み出す勇気

 習慣化で大切なのは、気持ちに左右されないということです。行動の継続にモチベーションは関係ありません。「モチベーションが上がっているとできる」「モチベーションが下がっているとできない」となってしまうと、すべての習慣はモチベーション次第となってしまうからです。

 気持ちに振りまわされてやるものほど、迷惑なことはありません。なぜなら、毎日同じ気持ちでいるのは至難の業だからです。日々、気持ちはできごとや体調、または天候などによっても変わります。アクシデントは尽きないのです。ですから、習慣化のポイントは「気合いを入れなくてもできるようにする」ことです。

 ポイントは、「まずは1回をやってみる」「5秒続けてみる」ということからです。気持ちや、やる気に頼らず、能力も関係なく、少しでも心が軽くなり、自然と習慣化できて行動につながっていくための方法をしましょう。目指すは、もっとも自分に優しく、自分に合った方法を探していくことです。気合いを入れたり、無理しないとできないことではなくて、「すぐに」「簡単に」はじめられること。

「今年は本をたくさん読むぞ」と決め、本をたくさん買ったはいいものの、まったく読む気にならずに、「読まなくては、読まなくては」と気持ちだけが焦ってしまう。それは「すべてを読まなければいけない」と思ってしまうためです。気が重くなり、気合いを入れないとできない、となるため一向に進まなくなるのです。気合いを入れないと読めない、となるのではなく、まず1ページだけ読んでみる。あるいは5秒はページを開いてみる。こんなふうに最初のハードルをぐっと下げることです。1冊を読もうとするよりも、1ページをです。

 勉強でも、運動でも、仕事でも、すべて同じことです。もっともよくないのは「やらなければ」と自分を追い込んでしまうことです。

 10kgのダイエットを考えるよりも、1回のスクワットを。10分の瞑想をするよりも、10秒の深呼吸を。10行の日記を書くよりも、1行の想いを。

 最初の基準を思い切り下げて、その1回、その1ページ、その10秒からやってみることです。すると、不思議と1回やれば2回、3回と続き、1ページを読めば2ページ、3ページと続き、10秒が1分と続くことになります。