現在、提供しているモジュールは、照明とリモコンの2種類のみ。今後は好みの香りを発する「フレグランスモジュール」やBluetooth内蔵で天井から音声を流せる「スピーカーモジュール」、人感センサーで外出時の異常を察知し、スマホに知らせてくれる「カメラモジュール」、特殊な周波数の音波で虫を遠ざける「虫除けモジュール」なども発売する予定だ。ユーザーは好みのモジュール、つまり必要な機能だけを自由に追加できる。

 2018年11月にクラウドファンディングサービスの「Makuake」で製品を発表し、300万円以上の資金を集めた。現在は「Amazon.co.jp」およびプラススタイルのIoT製品販売サイト「+Style(プラススタイル)」で商品を販売している。通信機能を備える本体部分のみサブスクリプション(月額制)モデルとなっており、月額480円。モジュールは売り切りで、リモコンモジュールが2500円、照明モジュールが3500円となっている。

照明やリモコンなど、機能ごとにモジュール化している「stak」照明やリモコンなど、機能ごとにモジュール化している「stak」

災害避難用の「取り外せる電球」が出発点

 stakの創業は2014年(当時の社名はNeedol)。当初はアプリ開発に専念していたが、広島で発生した土砂災害をきっかけに、自社プロダクトの開発にピボット。その理由を、CEOの植田振一郎氏はこう語る。

「テレビの報道で、夜間の不安定な足場に苦労しながら避難する人々の姿を目にしたんです。日常的に使う道具を便利にすることで、彼らを支援したかった。弊社にはデザインや動画など、IT以外にもさまざまな得意分野を持つメンバーがそろっている。このチームならば、自社プロダクトも開発できるという自信がありました」

 そこで手がけたのが、着脱可能な電球だ。普段は照明として使用するが、震災時にはソケットから取り外せば一晩中点灯。クラウドに接続すれば災害用伝言サービスに「公民館で待っているよ」といったメッセージを残すこともできる。

 行政機関に持ち込んだ試作品は評価こそされたものの、開発費用などの面からリリースを断念。その後もスマートスピーカーを搭載したライトなど、電球をベースにしたプロダクトをいくつか開発したが、いずれも販売には至らなかった。

「とはいえ、stakの『取り外し可能な電球』というアイデアや、マグネットによる着脱技術は、この頃に生まれました。stakを開発できたのは、これまでの紆余曲折があったからこそです」(植田氏)

「出して終わり」ではなく、「進化する」IoT製品

 そんな彼らが新たなプロダクトとして着目したのが、スマート家電だ。2018年にIT専門調査会社 IDC Japanが行った調査によれば、2022年までにスマートスピーカーや照明といった家庭で使用するIP接続デバイスは年平均約15%の勢いで成長し、2022年の支出額は11兆円を超えると予測されている。しかし、日本におけるスマート家電の盛り上がりは「米国に比べるとまだまだ」と植田氏は言う。