Luupはこれまで、電動キックボードのシェアリングサービスの国内展開を目指し実証実験を重ねてきた。昨年は、事業者が規制官庁の認定を受けた実証を行い、得られた情報やデータをもとに規制の見直しに繋げていく「規制のサンドボックス制度」に認定された実証を、横浜国立大学の常盤台キャンパス内の一部区域で行った。

 日本の現行規制上では、電動キックボードは原付自転車として扱われる。そのため、公道で走行するには国土交通省が定める保安部品を取り付け、原動付自転車登録をし、免許証を携帯する必要がある。より安心・安全、そして気軽に使えるシェアリングサービスを展開するには、規制の緩和が不可欠だ。

 Luupにとって、シェアサイクルの提供は目標に向けての第一歩。シェアサイクルを安全に運営できることを証明でき、かつ、規制が緩和された後には、電動キックボードもポートに設置していく。長期的には、高齢者を含むより多くの人が利用できる機体の提供を目指すが、まずはLUUPを運営しつつ、並行して電動キックボードの検証を続けていく予定だ。

「マイクロモビリティのシェアリング事業を展開すると宣言してからは、いつか自転車も扱う必要があるという自覚があった。電動キックボードが第2フェーズだとすると、自転車は第1フェーズ。(電動キックボードの提供に向け)まずは自転車を使い、Luupがいかに安心・安全にサービスを提供できるか、社会に示していく必要がある」(岡井氏)