「ゴミ屋敷清掃」も2〜3月で急激に伸びたカテゴリだ。依頼数はその前と比較し、約50%増加した。浜野氏は、ゴミ屋敷は夏になると強烈な臭いを発するため、涼しいうちに依頼をする利用者が多かったのではないか、また、いつ「コロナ明け」になるか不明瞭だったため「今のうちに」と頼む人が増えたのでは、と説明する。
例年、利用のピークが4〜5月になるカテゴリの中には、依頼が2〜3月に殺到したものもあった。例えば、「庭木の剪定・造園」は2〜3月、それ以前と比較して約50%利用が増加した。「リフォーム」関連も同様に伸びを見せたが、浜野氏は「自宅にいる時間が増え、家のことが気になり、頼みたくなっているのでは」と分析する。
くらしのマーケットには一部ではあるが、法人向けに特化したカテゴリもある。テレワークに移行した企業や、営業自粛を余儀なくされた店舗は、コロナ禍で法人向けの清掃関連のサービスを多く利用したようだ。
そのため、「フロアクリーニング」や、排水設備の一種である「グリストラップ清掃」を含む「オフィス・店舗向けサービス」カテゴリにおけるサービスの依頼が、2〜3月とそれ以前の比較で約20~40%増加した。
ネトフリ見たさに「あり得ないくらい伸びた」ネットの設定
くらしのマーケットでは、以前から特に人気だったが、コロナ禍でさらに利用数が急増し、伸び続けているカテゴリもある。代表的なのが、「インターネットの設定」だ。
浜野氏いわく、インターネットの設定の依頼は「あり得ないくらい伸びている」。利用はコロナ前と比較し約5倍、前年同期比では約10倍にも増加した。「テレワークを始める人やNetflixなど動画配信サービスを利用したいと考える人が増えたからではないか」(浜野氏)。
「家電の取り付け・設定」の中では、「センサーライト取り付け」や「照明・シーリング・ダウンライト取り付け」が伸び続けている。照明関連の依頼はコロナ前と比較し、60~70%増。自宅の作業環境を改善するといった目的での利用増加が想定される。また、浜野氏は「カテゴリとしてしっかりとサービスが揃っているところも要因としてあるのでは」と話す。
なお、コロナが原因で利用が減少したカテゴリもある。「エンターテイメント」では「出張撮影・カメラマン」は4月、依頼がおおむね半減した。
「引越し」カテゴリは成長率が鈍化したが、もともと日程を決めていた利用者が多かったこともあり、前年同期と同等の依頼があった。