利用料金は月額5万円から。ローンチから約1年で社員数100名〜3000名程度の企業数十社が有料で利用している状況だ。
コンサル時代に直面した市場の課題と現場の苦悩
Leaner Technologiesは、大手コンサルティング会社・A.T.カーニー出身の大平裕介氏が2019年2月に立ち上げたスタートアップだ。自身が前職時代にさまざまな企業のコスト改革に伴走する中で、マーケットの不透明さや経営者の悩みを痛感。培ってきた知見とテクノロジーを組み合わせれば「間接費市場を抜本的に変革し、より多くの経営者が新たなチャレンジをするための原資を生み出すサポートができるのではないか」と考え、Leanerを開発した。
大平氏によると、企業が自力で間接費の見直しを進めるにあたって、「業務量が多く非効率」であることと、「そもそも自社単独ではすぐに限界を迎えてしまう」ことがネックになっていたという。
「明確なソリューションやノウハウがないため、いわば仮説がない状態で無作為にExcelと格闘せざるをえない企業も少なくありません。いろいろな情報を集計すればもしかしたら何か見つかるかも、くらいの感覚なので非効率な上に成功率も低い。結果的にものすごい大変だったのに成果に繋がらなかったということもあります」
「またコストや調達量が適正かどうかを判断する際に“何を基準に考えるか”がすごく重要で、そこに自社だけでやる場合の限界があります。要は過去と比べて安い・高いは比較できても、相場と比べてどうなのかがわからない。ベンチマークとなる複数社に自ら話を聞きに行ってデータを集計するというのは現実的ではなく、基本的にコンサルに依頼しない限りは実現できませんでした」(大平氏)
これらの課題をコンサル流のナレッジとテクノロジーで徹底的に効率化し、解決してしまおうというのがLeanerのアプローチだ。Leanerではコスト削減の原則を「THE MODEL」として、以下の4つの工程に分類。
1.(優先度を決めて)契約を網羅的に見直す
2.(契約を見直す際に)ベンチマーク並みの契約条件を獲得する
3. 獲得した契約条件、契約先での調達を社内で徹底する
4. 使いすぎるといったことがないよう、調達量を適正化する
その中でもっともニーズがあると考えた「ベンチマーク並みの契約条件を獲得する」ことにフォーカスする形で、昨年5月にサービス化した。
1年で数十社が利用、億単位のコスト削減効果も
ローンチから約1年間の実績は前述した通りで、すでに数十社が有料でLeanerを活用している。