また同日にはインキュベイトファンドとCoral Capitalから3億円の資金調達を実施したことも発表。コスト削減に必要な全工程をサポートする「オールインワンプロダクト」への進化と事業拡大を見据えて、さらに投資をしていく計画だ。

コロナ禍で高まるコスト削減ニーズに対応へ

 企業にとってコスト削減のニーズは一過性ではなく常に存在するものだ。とはいえ新型コロナウイルスの影響で売り上げ拡大が厳しくなり、足元でコスト削減の必要性が高まっている企業は少なくないだろう。

 実際、Leaerのウェブサイト経由の問い合わせ件数も直近2カ月は毎月1.5倍のペースで増加している状況だ。6月に入ってからこのペースはさらに加速していて、従来に比べて3倍以上まで増えている。

「特に2つの観点でニーズが高まってきていると考えています。1つは会社が大きな打撃を受けているので、大幅なコスト削減が急務であるケース。この場合は従来の延長では難しく『そもそもこの費用自体を一切なくそう』などゼロベースで考えなければなりません。その際にコンサルやLeanerの力を借りたいというニーズです」

「そしてもう1つは足元が苦しいわけではないものの、コロナの影響で社内の体制や働き方が変わり、お金の使い方自体も大きく変わったケースです。たとえばリモート環境で働きやすいようにチャットツールやオンライン会議サービスなどを導入する企業も増えていますが、その一方で使わなくなったツールや見直すべきサービスも出てきているはず。それを同時並行でやらなければ純粋にコストが増えてしまうことになるし、実際に顧客からも『同じような企業ではどんなコストが減っているのか、傾向を教えてほしい』という声をよく聞きます」(大平氏)

 新バージョンのLeanerでは、企業が自分たちだけでは気づけなかったコスト削減余地を自動的に発掘し、大幅なコスト削減をサポートする。他社や相場と見比べた上で自社の改善点を炙り出すだけでなく、それを社内に徹底させる機能を追加することによって企業の体質を変える手助けもできるようになった。

 グローバルに目を向ければ支出・コスト管理を効率化するシステムがどんどん広がっている。SAPグループの「SAP Ariba」や「Coupa」(Coupa Software)がその代表格で、Coupaの時価総額は日本円で1兆円を超える。国内でもコスト削減の重要性や緊急性はが高まるのはもはや明白だ。そこにLeanerが貢献できる価値は少なくない。