「『事務所納品費』など大まかなくくりでは把握できていても、費目別に細かく分析するまではできていなかったという企業は多いです。Leanerでは部署ごとの家計簿がオープンになるのでベンチマーク企業と比べた時の状況だけでなく、第一営業部と第二営業部を比べた時の状況もわかります。Leanerを入れてみて初めて自分たちの部署がコストをかけすぎていたことが発覚することもあるし、データをもとに議論ができるようにもなる。また数字ベースでコストが可視化されると、従来は利益を上げるにはとにかく売り上げのトップラインを伸ばせばいいという考え方だった企業でも『流石にこれだけコストをかけているのは馬鹿らしいよね』と変わります」(大平氏)

 通常間接費の10〜20%ほどは削減の余地があると考えられているが、今のところLeaerの導入企業でも平均で同程度のコスト削減に繋がっている。顧客の事業規模にもよるが社員数100人規模で400〜500万程度、5000人規模になると億単位の削減効果が生まれているという。

 加えてLeaerを活用することで外部企業に依存せずとも社内で課題発見・解決できる仕組みの土台が整ってきたり、従来は評価されにくかった担当者の成果を評価しやすくなったりといった効果も出ているそうだ。

 そういったポジティブな反応が見られる一方、今までのLeaerではカバーしきれないニーズも見つかった。それがコスト削減のTHE MODELにおける「ベンチマーク並みの契約条件を獲得する」以外の部分に関わるものだ。

「間接費のコスト削減のプロが社内にいないからこそ、『契約条件の見直しに限らずコスト削減の悩みはLeaerさえ入れておけば解決できるようにしてほしい』という要望を多くいただきました。たとえば現場では、家賃や業務委託費など金額が大きい契約にばかり目が行きがちです。本来は長年見直されていなくて、調達量が多いものが最もコスト削減余地が大きいですが、そこに気づかないことも多いです。また条件の良いサプライヤーが見つかったけど結局それが現場に浸透していなかったり、調達価格は適正化されても調達量が必要以上に多かったりといった別の問題も浮かび上がってきました」(大平氏)

6月に追加した間接費見える化のダッシュボード機能 提供:Leaner Technologies6月に追加した間接費見える化のダッシュボード機能 提供:Leaner Technologies
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 6月1日に実施したサービスの大幅アップデートではそれらの課題を解決するための新機能が搭載された。

 新バージョンでは間接費を管理する上で欠かせない重要指標が1カ所にまとまったダッシュボードや、自社のコスト管理水準が自動で数値化されるスコアリング機能を搭載。見直されずに放置されている費目を通知してくれる仕組みや、コストを組織別・取引先別に細かく分析した上でレポーティングする仕組みも加わった。