スーパーが最初のターゲットにはなるが、同じような課題を抱えている事業者は他にもいる。コンビニやドラッグストア、ディスカウントストアなどもまた、店舗でたくさんのSKUを扱う。店舗運用に強みがある一方で、オンライン化が進んでいないのも同様だ。
そういった「スーパー以外」のプレイヤーからも軒並み問い合わせをもらっているそうで、今後様々な企業がStailerを介して商圏をデジタル化していく光景を目にすることになるかもしれない。
「僕自身、東日本大震災で被災して死に直面した経験があり、残りの人生で意味があることに挑戦したいという気持ちが強いんです。そこにテクノロジーの力を掛け合わせることで、自分も含めた周囲の人たちが抱える問題を解決し、その価値を実感できるプロダクトを世に出していきたいと考えています。同時に、人生をかけるのであれば大きなマーケットにアプローチをしたい。ネットスーパーを軸としたワンストップショッピングのオンライン化はこの3つの条件を全て満たすもので、自分の中ではこれ以外にないと思えるほど、そこにかけています」(矢本氏)
ネットスーパーが普及して食品を購入する選択肢が世の中に増えれば、今まではどんな時でも店舗に足を運んで買い物をしていた人々の生活も間違いなく変わっていくはずだ。
「最初からすべて計画通りだったわけではありませんが、たまたま近しい事業からエントリーして、回り回って今この事業にチャレンジしている。将来的な構想もいくつかありますが、一丁目一番地はユーザーにとって本当に使いやすいものを作ることであり、そのためにtoB側のデジタル化を進めていくことに変わりはありません。そんなに簡単なことだとも思っていないので、まずは10年20年かけてしっかりとネットスーパーのインフラを作っていきます」(矢本氏)
※追記:2020年11月21日。同社はオフィスをこれまでの東京・水天宮から東日本橋に移転。社員を増員し、開発体制を強化中だ。