僕がすごいハッピーなのは、会社が大きくなったので、社内に異動先があることです。それがすごい。BtoBの事業もBtoCの事業もあるし。グループ全体では、小さい会社も大きい会社もあるんで。それはすごくいいことだなと思っています。

“怒り”が生まれる理由は「期待値とのギャップ」

――怒っちゃいけないのは分かっている。でもなぜ怒ってしまっていたんでしょうか。

 大体の怒りを分析したら、理由はやっぱり「期待値とのギャップ」なんですよね。高い期待をしているのに、低いアウトプットだったとき、本人はこの辺(高い期待より、少し低いあたり)だと思っているんですよ。だから、「(自分のアウトプット高さで)なぜ辻さんは怒っているんだろう」と感じている。

 これを解消するすごくいい方法が1on1なんですよ。1on1ミーティングはやっぱすごい。毎月お互いのギャップを埋めていく作業によって、相互コミュニケーションの回数を増やしていくと、お互いの期待値のギャップが縮まっていきます。

 もう1つ、怒りって「信頼関係の欠如」からも生まれます。ではその信頼関係とは何かというと、やっぱり過ごした時間の長さが結構大きいんですよね。大企業やすごい勢いで伸びてる会社って、社長はむちゃくちゃであっても、その下でエグゼキューションするメンバーとの信頼関係がすごいんですよ。それって過ごした時間――よくゴルフに行ったり、一緒にメシを食ったりしていて。そういうことが大事なんですよね。

 前者の期待値は1on1でかなり解決できます。後者の信頼関係は、互いの人間性を理解する必要があるんで、一緒にいる時間を増やします。僕らは、経営会議を月2回、2時間くらいかけて、メシを食いながらやるんです。特にトピックも決めずに、「最近どう?」みたいに話す。そうするとみんなボロボロと課題が出てくるんです。食事や夜のお酒は結構大事。そういうものの回数を増やすと信頼関係が作れるので、怒りが生まれる土壌が減るんです。

 あと経営者は……最後はもう、「成長がすべてを癒やす」です。事業が成長するかどうかですよ。事業が成長していたら、いろんなものは癒やされます。何のために事業をやっているのか? このままみんな経営者の言っていることに従っていたら僕たちはハッピーになるのか? メンバーは絶対に見ています。そこで信頼されることがすごく大事だと思っています。

――そんなメンバーへの信頼関係、「愛の伝え方」について教えてください。