そしてそもそも、通常のメガネであっても2年程度で表面のコーティングなどが剝がれたり劣化したりします。ですからメガネは2年に1度チェックしたほうがいいのです。

 とりわけ色の濃いサングラスには要注意です。

 紫外線を吸収するのはサングラスの「色」ではなく、「加工」です。色が濃いほうが何となく紫外線からの防御力が強そうに思えるかもしれませんが、色はまったく関係ありません。

 さて、サングラスの購入から年月がたち、紫外線を吸収する加工が薄れた状態で色の濃いサングラスをかけると、目にはどんな影響があると思いますか?

 暗いところにいると、より多くの光を取り込めるように目の瞳孔が開きます。色の濃いサングラスをかけていると明るいところにいても、暗いところにいるときと似たような目の状態になります。

 ただし、そのサングラスの紫外線吸収加工は薄れてしまっているとしたら、目の瞳孔が開いているところに紫外線が差し込んでしまいます。

 というわけで、「紫外線吸収加工が薄れた色の濃いサングラス」をかけて日光を浴びると、目はむしろ「サングラスなし」の状態で日光を浴びたときよりも激しいダメージを受ける可能性があるのです。

 サングラスや紫外線対策用のメガネの保管環境も重要です。紫外線を吸収する加工は紫外線に触れるごとに薄れていくので、使わないときは日の光に当たらないよう、ケースにしまっておきましょう。

 今は紫外線カット仕様のコンタクトレンズも珍しくなくなっています。

 コンタクトレンズで覆われるのは黒目だけですが、白目の紫外線ダメージは目の疾患とはあまり関係がありません。緑内障などを防いで目の健康を維持するという意味では、紫外線カット仕様のコンタクトレンズでもいいでしょう。

 ただし白目の変色を避けたいのなら、コンタクトレンズだけでは不十分です。屋外ではサングラスをかける、あるいは帽子(つば広の帽子や野球帽のようなキャップ)、日傘といった一般的な紫外線対策も目の紫外線対策になります。

 紫外線の影響はゼロにはできませんから、赤ちゃんのような真っ白な白目を取り戻すのは不可能です。

 しかし細胞のターンオーバーによって肌が周期的に生まれ変わるように、白目も周期的に生まれ変わっています。今からでも対策をしっかりとることで、変色の進行を遅らせることができるでしょう。

 一般的に健康的な人などは多少これらの行動を行ったからといってすぐに何かが起きることはありませんが、少しでも目にいい生活を送っていただければと思います。