まさしく「サボる才能」があるかどうかが問われる。
 2時間でやるべきことを1時間で終わらせて、1時間を余らせること。
 さらに、30分で終わらせることはできないかと考え続けること。

 この本では、あなたに「サボる才能」があるかを試し、
 それを磨いていくための「7つの話」をしようと思う。

 目的は1つ。
 死ぬまでの「幸せの総量」を増やすためだ。

 天才は「1%のひらめき」をして、
 凡人は「99%の努力」をする。

 そのあいだを取り持つ僕は、「1%の努力」で最大の成果を得てきた。

 就職氷河期で就職もせず、インターネットにどっぷりの生活。
「2ちゃんねる」は、他のサービスのいいところをマネた。
「ニコニコ動画」は、ドワンゴの社員のアイデアに乗っかった。
 努力しない努力を極めて、
 いま、僕はフランスのパリで余生みたいな生活を送る。

 これまで何度となくレールを外れてきた僕の
「生き方・考え方」についてもたくさん語ろうと思う。

 必要だったのは、お金や時間ではない。「思考」だった。
 工夫を取り入れ、「やり方」を変えられること、
 ヒマを追求し、「何か」をやりたくなること。
 つまり、自分の頭で考えるということが大事だった。
 だから、スケジュールを埋めるな。「余白」を作れ。
 両手をふさぐな、「片手」を空けよ。

「頑張ればなんとかなる」と思っている人は、甘い。

 努力でなんとかしようとする人は、「やり方」を変えない。
 では、どうやって「やり方」を変えるのか?

 その「考え方の考え方」を教えよう。

序文 「1%の努力」とは何か

エジソンへの誤解

「99%の努力と1%のひらめき」というのは、発明家エジソンの有名な言葉だ。

 これの真意をみんな誤解している。

 本当は、「1%のひらめきがなければ、99%の努力はムダになる」ということを言った現実的な言葉だ。しかし、「努力すれば道が開ける」という表現で広まっている。

 発明の世界では、出発点が大事だ。

「光る球のようなものを作ろう」

 そういう考えが先にあって初めて、竹や金属などの材料で実験をしたり、試行錯誤を重ねたりして努力が大事になってくる。