パチンコ、麻雀、女、酒、タバコを欠かさず、ほぼニート状態の父親。それに母親が共依存するという複雑な家庭環境に育った。14歳のとき、父親が自己破産して失踪。貧しい生活を支えた母親は病に倒れ、半身不随に。苦境のなか、独学で大学に合格、奨学金を得た。そして、兄・成田悠輔がくれた本をきっかけに「起業」を志した。話題の書『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)の著者・成田修造は、体当たりで起業家の道を歩むようになる。本書は起業を通じた人生の指南書で、何歳からでも組織に頼らず、副業・独立・起業でビジネスを展開するときに必須の内容。これからは会社員であっても、自分で事業をつくれると強い。その思考法とノウハウを全公開する。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
日本の人材流動性は
まだまだ低い
これからの日本に生きる人は、1つの会社に勤め続けるライフプランが実現することは、ほぼないでしょう。
大卒で就職したとしても、そこから転職や独立、起業など、さまざまな可能性を探ることが当たり前になります。
統計によると、日本の転職回数は平均3回で、勤続年数は平均11.9年。米国の転職回数は平均13回、勤続年数は平均4.1年なので、まだまだ日本の人材流動性は低いといえます。
会社を辞める≒ネガティブな印象?
米国はジョブ型雇用で、仕事ありきで人が雇われます。会社として必要なら積極的に雇い、必要がなくなればリストラするという形で、労働者もそれが普通のことと理解しています。
一方の日本はメンバーシップ型雇用で、まず人を雇ってから仕事をあてがうスタイルが主流です。
終身雇用も一般的だったことから、会社を辞めることにネガティブな印象を抱きがちで、転職回数が多い人は評価が低くなる傾向があります。
転職しながら
自分の市場価値を高める
しかし、これからは日本も米国の雇用スタイルにシフトすると予想されます。
法制度の違いもあり、米国ほど解雇が一般的になることはないかもしれませんが、若者や若い産業を中心に、自分のステージに合わせて、どんどん転職しながら、自分の市場価値を高めるような動きが加速するでしょう。
雇用環境が変化する
ことを認識する
日本でも、すでにIT業界では変化が起きていて、5年以上1社で働いていたら「長いね」と言われるレベルです。
僕自身は11年ほどクラウドワークスの経営に携わりましたが、11年同じ会社を経営している人は、ほとんどいません。
好むと好まざるとにかかわらず、日本の雇用環境は変わっていくわけですから、そのことを認識したうえで自分の働き方を決める必要があります。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。